【13.11.20】労働規制緩和問題政治の中心場面での議論が求められる

榑松 佐一さん-愛労連議長

 
安倍内閣が「解雇特区」を打ち出し、愛知県が特区を「要望」するなど、労働規制緩和問題が秋のたたかいの中心テーマに急浮上してきました。法律問題は難しいのですが、「この問題は労働組合が先頭にたって闘わなくては」と強調し、先月24日の労働法制連絡会総会で金沢大学名誉教授の萬井先生を講師に学習会を開催しました。

 政府は「限定正社員」「有期雇用の期間延長」などあたかも非正規労働者の待遇改善をすすめるかのような言い方をしています。財界も「日本では正社員を解雇できないので企業は派遣社員や非正規労働者を増やさざるをえない」と政府に解雇規制の緩和を求めています。
 萬井先生はこれらのウソをあばくと同時に日本では労働時間の規制がなく、事実上青天井になっていることが問題だと指摘しました。「正社員」であれば勤務地も職種も労働時間もすべて会社が勝手に決められます。そこに「限定正社員」のワナがあります。

 また26日の東海労弁総会では今野晴貴氏がブラック企業問題を講演。十年ほど前から非正規雇用と正社員でもブラックな職場が増えてくるなかで、「やっと正社員になれた」若者を超長時間労働と競争・選別で使い捨てにして利益をあげるブラック企業が生まれてきたといいます。
 先の参院選で躍進し議案提案権をもった日本共産党が「ブラック企業規制法案」を提出したため、政府は「解雇特区」を引っ込めました。しかし非正規の待遇の悪さを「『労対労』が問題の本質」(中日「働く」10・25八代)とすり替える議論もあります。政治の中心場面での議論が求められます。

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