【15.02.10】石田芳弘さん―戦争をする国NO!恐れることなく声をあげよう!

 
石田 芳弘さん

1945年10月犬山市生まれ。東海高等学校、同志社大学商学部卒業。愛知県議会議員、犬山市長、民主党衆議院議員を務める。現在、至学館大学コミュニーケーション研究所長。

人類史のなかの憲法

 犬山にある京都大学霊長類研究所の学者から聞きましたが、地球上の生命体にはすべて「天敵」があり生態系が保たれているが、人間だけが天敵がない。だから人間は戦争をして殺し合うのだ、という説です。
 仮説かもしれませんが、なるほどと思うと同時に、国家の意志として戦争をしないという日本国憲法9条の存在は大きいものがあります。まさに人類史上画期的な知恵です。

声をあげよう

 安倍政権は、日本国憲法9条を空洞化し、集団的自衛権行使容認で戦争できる国にしようとしています。集団的自衛権、兵器産業容認の方向です。憲法や法律で歯止めをかけていたにもかかわらず、ひとつひとつ歯止めを取り除いていこうとしています。みんなで声を上げていくことが大事です。
 また戦争の問題、原発の問題は繋がっていると思います。
 更に沖縄の問題もそうです。沖縄は今年最大の政治テーマです。
 安倍さんは「日本を、取り戻す」と言っていますが、以前にもましてアメリカの属国になるということでしょ。沖縄、集団的自衛権など完全にそうでしょう。自民党の人にも目覚めてもらわないと困る。「本当にいいのですか」と語りかけてみたい。

学ぶ楽しさめざして

 僕は、教師になりたかったのですが残念ながらなれませんでした。教師への憧れはずっとありました。
 市長になったときドイツに行きました。ドイツ語で市長のことを「ヴェルガーマイスター」と言います。「市民の先生」という意味です。教師にはなれなかったけれど市民の先生になれたということでそのイメージで市長を務めました。
 まちは生涯学習の最良の学びの場です。生涯学習、全市博物館構想を掲げ、教育、学ぶ喜び、人づくりに結びつけました。 学ぶ喜びを知る人は、いつまでも知性豊かで生き続けられる、人生は学ぶ楽しさを知るもの、これが「生涯教育」です。その原点が小中学校の義務教育です。受験勉強、試験を徹底して否定しました。基礎基本を教えることは大事ですが今の試験は序列をつける試験です。少人数授業に全力投入しました。
 「地方の特色ある教育を阻害する」として文科省のすすめる「全国一斉学力テストの導入」(2006年)不参加を唯一表明しました。「全国一斉学力テスト」は行政事務にすぎません。法律ではありません。
 真の学力は外から与えられるのではなくて内発的なものです。現場の教師が「しない」のではなく「する必要がない」とはっきり文科省に言いました。
 それまでに教師たちは勉強会を重ね、「指導書」より自分たちで教材をつくってきました。教師こそ教育の最大資源です。
 教育に政治が介入してはならないとは戦前の軍国主義を否定するということです。戦争賛美を教えたわけですからね。しかし、私は、教師が政治的信念を語ることは大事だと思います。

祭りを守ること

 現在、大学で祭の研究をしています。祭を通して地域を再生していきたい。グローバリズムの世界的潮流は、地域の紐帯を切断し、固有の文化を破壊していきます。祭を守ることで共同体としての助け合い・支え合い・補い合いのコミュニティを取り戻したい。日本全国津々浦々、人の住むところには神社寺院を中心にコミュニティが形成されているのです。
 そこには日本人固有の自然崇拝の信仰心があります。 しかし、神社というと靖国神社の存在がありますが靖国神社は、戦争を賛美するための神社です。だから、神社といっても「靖国だけはいけませんよ」と断らないといけない。(笑)

 犬山で道路拡幅の都市計画がありましたが現状のまま拡幅しないことに決め、そうしたら人が戻ってきました。なぜ人が来るようになったか、「手仕事が大事、後進性が大事だ」と柳宗悦が言っていますが人間は手作業に惹かれるんです。
街づくりもヒューマンスケールです。見える範囲で安心できる、懐かしさがある。
 中央の各省のメニューで街を作ると行政主導でどこへいっても一緒です。
 だから、市長の時にみんなに投げかけた言葉は、「ナンバーワンよりオンリーワン」です。ナンバーワンは比較の価値観です。

恐れることなく

 安倍首相のやり方は、支持者もあるかもしれないが、強い反発もあります。
 私は日本国民を信頼しています。そう簡単に、安倍さんの思う通りにいかないぞ、安倍さんが強く出れば出るほどまた、反対の力は強くなると思います。試練の時だとは思いますが、今こそ逆に平和、戦争について議論が深まるのではないかと思っています。
 僕も恐れることなくやっていこうと思います。

 恐れることなく。

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