県革新懇ニュース−この人に聞く

【19.05.10】川澄延夫さん(税理士)―10%消費税増税は中止、消費税に頼らない道の転換を

「応能負担原則」こそ民主主義の原則

  川澄 延夫 さん

税理士法人 あいち税経所長・税理士。2016年に納税者の権利を守る税の支援者として税理士法人設立。
元税務署職員。全国税労働組合、税務職員の労働改善、民主的な税制をめざして活動。

税の原則

 本来、税をどこが負担をするのか。民主主義の原則である「応能負担原則」の徹底を大前提に、不労所得には重課し、勤労所得には軽課をし、最低生活費には課税しないという理念を貫徹することです。
 しかし、政府はこの原則に反する悪税の消費税を10月から10%に引き揚げようとしています。前回の2014年に8%の値上げをしたときに、消費税引き上げの際に駆け込み需要と導入後の反動減といったこと
が生じ、景気が後退しました。
 今回は、駆け込み需要と反動減を緩和しようと、価格設定は10月前からの値上げを推奨しています。10%になったら、消費が落ち込むということを避けたいわけです。導入口だけはなんとか、やりたい。一回導入すれば、あとはなんとかなると巧妙にしています。

景気はいいの?

 アベノミクスで、安倍首相は「景気は回復している」といっていますが、景気がいいのはどの層かということですね。アベノミクスで恩恵をうけているのは大企業や、資産家です。事実、安倍政権は大企業への減税、試験研究費も大企業、大資産家のために減税して恩恵を与えています。統計を操作して好景気を謳っています。しかし、庶民にはそんな実感はありません。

矛盾だらけの「軽減」税率

 安倍政権は消費税10%への増税とともに、「軽減」税率やインボス制度を導入しようとしています。
 消費税の税率10%引きあげにあたって、一部の品目の税率を低くする「軽減」税率を導入しますが、現在と同じ8%を続けるだけで、税率を引き下げたり、非課税にしたりするわけではありません。 
 「軽減」税率は、食料品を持ち帰るか店内で食べるかで消費税率が8%、10%と異なるというものです。国税庁の想定質問は100を超えています。それほどわかりにくい制度です。これから現場での混乱が予想されます。
 軽減税率は所得にかかわらず適用されるため、消費税で問題とされる低所得者ほど負担の大きい逆進性は解消されません。
 また、ポイント還元も、クレジットカードやスマホなどを利用して買い物をすればポイントで還元するもので低所得者ほど恩恵は少ないのです。
 軽減税率などとごまかさず消費税増税は中止し、消費税に頼らない道に切り替えることです。

インボイス制度の導入で国民を管理

 消費税増税に伴い、2023年10月から「インボイス(適格請求書等保存)方式」が導入され、消費税を払う業者として税務署に登録しなければならなくなります。しかしこれによって多くの中小業者は経営が困難になり廃業という状況になりかねないのです。
 消費税の仕入税額控除をするには、このインボイスが必要です。今後の動きとして、免税業者に対して➀登録を求める➁消費税をかぶる➂取引をやめさせられる➃取引先が消費税相当額を支払わないなどが想定されます。
 韓国は徴兵制のために国民を管理するということで軍事政権時代に国民を管理したのですが、日本は国民は総背番号制であるマイナンバーで、業者はインボイス制度で完全に管理したいというねらいもあるのではないかと思います。

消費税導入で失われた30年

 消費税導入されて30年、消費税は景気を悪くさせてきました。大企業にたいしては法人税減税をしてきています。
 30年間の消費税は約349兆円、一方30年間の大企業減税は約280兆円です。どこにいったかは一目瞭然です。
 所得税の税率は1974年当時、19段階の税率区分があり住民税とあわせた最高税率は93%でした。しかし、現在の所得税の税率区分は7段階まで下がってしまい最高税率は55%です。
 10億、100億ともうけている人からもきちんと取る。不公平な税制をただせば、消費税に頼らなくても財政は成り立ちます。
 消費税反対の声、運動がおおきくならないといけません。 「10月消費税10%ストップ!ネット」に著名人や研究者なども反対の声を上げています。
 こういう声を広げて国会での議員をふやし、ストップさせていきましょう。

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