【14.06.10】音楽で原発反対のメッセージを届けたい!―マチルダマーチ

 
マチルダマーチ

山口由貴さん(1980年生まれ)長谷川拓哉さん(ハセタク)(1977年生まれ)
2007年に東京でアコースティックバンドとして活動を開始。2013年12月に「声を聞いて~さよなら原発のテーマ~」を発売。反原発の運動、イベントなどに参加。

マチルダマーチ公式サイト⇒http://matildamarch.com/

心に届く歌を

山口:大学の軽音部仲間で、大学卒業後、東京でマチルダマーチを結成、2012年末に名古屋に帰り活動しています。

長谷川:2011年3・11東日本大震災の映像を見てただ事じゃない、まさか原発がと思いました。話し合って名古屋に帰ろうと決断しました。

山口:当時、民主党の枝野さんが「直ちに健康に影響はありません」といいましたが直ちに避難を呼びかけるべきだったと思います。東京も汚染されているとなり、気持ちが参ってしまいました。バイト先の職場で「食べ物など気をつけないとね」と言いましたら、「そんなにこわいのなら、早く地元に帰ればいいのに。」と影で言われていました。無関心の人が多く、自分がおかしいのかなとも思ったりしました。

長谷川:名古屋の関電前の反原発行動で、西英子さんに出会い、歌を作ってほしいと頼まれ「声を聞いて~」が誕生しました。

山口:音楽としていいものをつくろう。そうじゃないと人の心には届かない。原発に興味ない人もいい曲だねと思える曲にしたいと思いました。

長谷川:シュプレヒコールってとても攻撃的に聞こえますよね。関西電力の中で働いている人にも届けたい。

山口:「言いたいことも言えないこんな世の中~」と歌っている人もいますが、そんな場合じゃあないよ(笑)。そんなふうに思い込まないで言いたいことを言ってみよう。その思いが強くあってこの曲は生まれました。
 今回レコーディングに参加してくださった広島の被爆2世の方や忌野清志郎さんと一緒に音楽をやっておられた方などみんなの思いが歌詞だけでなく音にこめられている。すごくいいものになりました。

支援をつづけて

長谷川:先月、先々月と岩手の水沢を中心に仙台、秋田と回りました。過去にも、陸前高田の仮設住宅でも支援に出かけています。

山口:これまでも私たちに出来ることを、と支援をしてきました。今後ともさまざまなかたちで被災地への支援を続けていきたいと思っています。

長谷川:もっと、政府や東電に賠償をさせなければいけないですね。

山口:安全な野菜を取り寄せたい福島の人、自分たちの作った野菜を食べてほしい福島の人、思いはさまざまです。「美味しんぼ」が取り上げた鼻血の問題に批判的な反響がありその後、福島のお母さんたちが、「鼻血をだしたよ」との発言は大きなニュースにならない。どっちか一方の声になっていないのか、問いかけたいのです。
 原発は必要という番組をNHKがやっていました。化石燃料、天然ガスが足りないから原発が必要だと時代遅れの番組でした。 
 家を失くして帰れない人がいる、ふるさと、懐かしい場所などを見に行くことも出来ない。日本は国土を失ったのに、もっとリアルに想像してほしいです。「今、福島県で、日本で起きている事だよ」と。政府は、尖閣諸島、竹島を守れといっているけれど福島は守らなくてもいいのと問いかけたいです。

長谷川:半永久に住めない土地ができた。原発は、事故が起こったら取り返しのつかない状況になる。それだけでも反対です。

政治と生活は密接

山口:政治から国民は無関心にされたのです。政治は生活の話、それをみんなにもわかってほしい。どれほど、自分たちの生活に政治が密接に関わっているのか。

長谷川:政治って本当はもっとシンプルなのに難しくさせられている気がします。
 音楽を通じて聞く人それぞれがメッセージを受け取ってくれればいいと思います。「声を聞いて~」は、マチルダマーチの原発反対という明確なメッセージです。この曲は、関電前行動でもみんなが歌ってくれています。皆で歌って運動が高まってくれればうれしいです。

山口:ゴスペルやサンバも、黒人音楽も政治に批判、反対して生まれてきたものがたくさんあり結構普通に歌っていますね。政治的なことは、ちょっと、というのをミュージシャンとして変えていきたいですね。
 サザンオールスターズの「ピースとハイライト」などしっかり政治への思いを込めているアーティストはたくさんいます。気付いて聞いている若者もたくさんいます。

垣根なく演奏に

長谷川:私たちは思いが合致するところには垣根なく演奏に行きたいと思っています。
 
山口:子どもたちの未来と同時に大人も健康でなければ。私たちが四十代や五十代で死んだら、子どもたちは誰が守ってくれるの。自分が食べるといって結局流通を許し、子どもの口にもはいってしまうと思います。 
 風評被害をなくすためには、きちんと何ベクレルかを測定できる体制を確立しないといけないと思います。みんなも元気に。子どもの未来も守りたいです。

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