【14.11.10】安倍教育再生は最貧困層の子どもたちを経済的徴兵に追い込むもの

笹山茂晃(愛知県高校教職員組合執行委員長)

 
 周知のとおり安倍政権は、復古主義と新自由主義の両面を持つ政権です。安倍「教育再生」もまた、こうした点を反映しながら全体としては「戦争する国」「世界で一番企業が活動しやすい国」の人材づくりにその本質があります。教科書検定基準は、南京虐殺・従軍慰安婦問題などに係わる政府方針を書き込ませるため様々に改悪されました。道徳の教科化は、子どもたちの内心を評価することを通してマインドコントロールしようとするものです。
 また教育再生実行会議の第五次提言は、現行の小学校・中学校と並列して小中一貫校、小中高一貫校など学校制度の複線化を打ち出しました。このことは、子どもたちを一層の競争に駆り立て苦しめると同時に家庭の経済力によって教育格差を制度的に生み出し、教育の機会均等と国民の教育権を破壊するものです。こうして今日の労働市場・「雇用改革」にそった人材づくりを狙いとしながら、最貧困層の子どもたちを経済的徴兵に追い込むものとなっています。
 このように、安倍政権による憲法破壊の攻撃は、9条と平和主義への蹂躙にとどまりません。雇用破壊と医療・介護・社会保障の解体攻撃は、勤労権・生存権への重大な侵害となるなど基本的人権への全面的攻撃になっています。そしてこれの実行に国民から全てを委任されたように偽装することは、国民主権の破壊そのものです。
 ところで安倍政権の攻撃が憲法と国民生活への全面的なものであることは、国民的反撃もまた全ての分野からの闘いとして発展することを意味します。各分野の運動がともに手を携えて安倍政権を退陣に追いむよう奮闘することが求められています。

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