【14.11.10】柘植新(革新・愛知の会代表世話人/名古屋大学名誉教授)

 原発大災害をともなった3・11以来、3年半が経過したが、事故原因の究明は一向に進んでおらず、福島県の避難者は13万人余にのぼる。国内にある54基の原発は現在すべて停止しているが、この夏も、電力不足 での停電は皆無。脱原発と協働して、やっと増え始めた太陽光発電などの電力買い取り制度を廃止し、原発の再稼働を画策する動きが強まっている。3・11の反省から発足した原子力規制委員会は名ばかり、原発再稼働に “お墨付き”を与える政府機関に成りさがっている。再稼働の一番手とされる鹿児島の川内原発は、活火山に取り囲まれているが、その“前兆”があれば、原発を停止させて、核燃料を移動するという、荒唐無稽な電力側の主張を規制委員会は黙認してきた。火山大国でもあるこの国での再稼働が「ならぬこと」であることは、御嶽山噴火も鋭く告発している。

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