【07.12.15】第7回連続憲法講座 水野幹男弁護士

水野幹男弁護士・過労死・過労自殺裁判を総括する

 
過労死裁判の第一人者水野幹男弁護士が“THE KAROSHI”を講義された。

過労死の法的根拠から入った。
憲法28条、27条-労働基準法75条療養補償、79条遺族補償-労働基準法施行規則35条業務上の疾病◎別表1の2:九「その他業務に起因することの明らかな疾病」をめぐって裁判は延々と争うことになる、と。

続いて担当され、勝利した過労死(自殺)事件をたどりながら、いくつかの重要な点を指摘。

(1)名水労松川事件――「畳の上で死んでも労災は労災」と訴えた職場の労働組合が決定的な役割をはたした。過重な負担は他の人と比べるのではなく、本人にとってどうなのかを問う。

(2)トヨタ内野事件――QCサークルがはっきりと業務として認定された。職場での支援する人たちの協力が立証をもたらした。

(3)トヨタ過労自殺事件――残業半減を迫りながら設計作業もジャスト・インタイムで追いつめる。その上職場で労組の役員。うつ病へ追いやられる心理的状況をリアルに展開。
 質疑の中では過労死裁判に情熱をもたらした若き日の、ニッサン自動車での臨時工であった若者とのかかわりをていねいに紹介。

 記憶に残った大事な点

1.真実はいつも具体的である

2.過労死(自殺)への闘いが労働条件を前進させる役割をもっている

3.過労死110番運動、来年20年。認定基準を変えさせてきた

4.QCサークルなど無償労働が認定されると労災補償金も増えることになる、など。

参加者は67名。

このページをシェア