【08.05.23】江南革新の会総会と講演会

 
5月23日の午後7時30分より午後9時まで総会と記念講演会を開きました。

前半はこの一年間の総括と今年度の運動方針の提起。討論および採決。後半は中嶋名大教授にお願いして講演会としました。

総会は時間を短時間にしましたので、充分な討論はできませんでしたが、運動の総括、今年度の方針をていきし、承認をいただきました。

今年度の重点は地域の要求に的確に応えて運動を進めることに加えて、組織の拡大強化をと考えています。
現在は個人26名(総会の際に6名新たに加入)の会員ですが、来年の総会までに50名になるよう努力します。

革新懇全国ニュースも購読者を20名にと考えています。

後半は「憲法改悪と教育『改革』のねらい」と題して中嶋先生
にお話ししていただきました。

(後藤 博)

1周年記念講演会「憲法改悪と教育『改革』のねらい―講師 中嶋 哲彦先生(名古屋大学大学院教育発達科学研究所教授)

発言をする参加者 
 中嶋哲彦氏がはなされた要旨です。

 大学生のなかには、憲法改悪の何が充分わかっていない人がいる。この人たちと事実を積み上げながら議論をしていくときちんと理解する。いろいろな教育実践を通して、若者たちが健全であり、若者たちに今の憲法が目指す社会はどんなものかきちんと伝えていく努力こそが必要だと感じる。

 第二次大戦中、アインシュタインを含む科学技術者は、彼らの平和への思いに反して、大量殺戮兵器の開発に駆り立てられた。そのようなことを繰り返してはならない。

 名大では学術憲章で、「勇気ある知識人」を育てるとしている。日常から、物事を正確に把握し、勇気を持って発言することで、豊かな社会がつられると思う。自分自身そういう人間になりたいと思うし、学生たちにもそれを望む。

 今日、政府は医療も福祉も破壊しつつあり、格差がますます拡大している。国民の多くはこれを許せないと怒っていると思う。しかし、この政治を変えるための具体的な行動は起こしていない。むしろ、この格差社会を生き抜く自助努力こそ必要だと思い込まされている。自助努力と言えばいくらか美しく聞こえるが、格差社会・競争社会における自助努力は弱肉強食にほかならない。

 政府・官僚は自分たちの悪政を少しも反省していない。むしろ国民の不安を逆手にとって競争をあおり、ドロップアウトした人間は救わない。

 競争は教育の中にも持ち込まれている。教育の格差の拡大や教育の目標の統制を強めるのが教育「改革」のねらいである。

 全国学力テストを実施しないのが犬山だけという状況が示すように、「学力向上」がマジックワードになって教育の現場は文部科学省の方針にあらがえない状況になっている。

 すべての児童生徒に確実に基礎学力を保障し、子どもたち皆の伸びる力を本当に伸ばすゆとりある本来の教育が求められている。

 おかしいと感じている教職員や保護者が多くいる。事実から出発して議論を積み重ねる努力をすることで真実が見え輪が広がっていく。

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