東海労働弁護団 樽井直樹弁護士
2月22日に名古屋市内で「派遣切り抗議愛知大集会」が、3月21日、22日には岡崎市内で「反貧困・駆け込み相談会」が開催されました。
前者は、反貧困ネットワーク代表をつとめる宇都宮健児弁護士を委員長に実行委員会を結成し、全国でもっとも多くの派遣切り、非正規労働者切りが行われると予想されている愛知県で、全国的な集会を開いたもので、515名の参加者で、会場のテレピアホールが埋め尽くされました。
集会の実行委員会が母体となって、集会後、日比谷公園で行われた「年越し派遣村」の経験にも学んで、生活保護、多重債務、労働など多様な相談に応える場を、非正規労働者の切り捨てがもっとも行われている西三河地方で開こうと企画したのが、後者の相談会で、名鉄東岡崎駅のビル3階に開設された相談会場には、2日間で約130名の方が訪れ、住居が無くなったなど深刻な相談が寄せられました。
今回の取り組みは、生活保護の申請活動、ホームレス支援、多重債務問題、労働問題など様々な分野にかかわっている専門家や市民が、非正規労働者の大量失業という問題に力を合わせて取り組んだということに最大の意味があります。その中で、生活保護への対応などについては、西三河地方の各自治体で前向きな変化もみられています。他方、大量の非正規労働者切りを進めている大企業に社会的責任を果たさせたり、非正規労働者切りを生み出す要因となっている労働法制の規制緩和を是正するという課題は残されたままです。
今後、多様な分野で展開されている運動が、「反貧困」を掲げて、一致できる点で協力する取り組みが、発展してほしいと願っています。