【10.9.26】憲法改悪反対共同センター主催 渡辺治さん講演に190人が参加。

民主党政権の新段階と構造改革、憲法の行方―構造改革、改憲の攻勢にいかに立ち向かうのか

 
 9月26日午後、労働会館東館ホールにおいて、憲法改悪反対愛知共同センターが渡辺治(一橋大学名誉教授)さんの講演学習会を開催しました。

 期待を込めて詰め掛けた会場いっぱいの190名の参加者は、参議院選挙と民主党代表選挙後の新たな局面についての講演に大いに納得し、この先の運動の展望や決意に繋がるものとなりました

講演概要

 
 1、反構造改革、平和を求める声と構造改革推進の、2つの力に押されて登場した鳩山内閣は、猛烈な財界とアメリカの圧力で動揺しつつ崩壊しました。

 財界とアメリカの熱い期待と圧力で誕生した菅内閣は、民主党のマニュフェストを09版から2010年版に大きく変更しました。「日米同盟深化」を明記し、普天間の辺野古移転案への後退、憲法問題での記述を消去、「法人税引き下げ」と消費税増税、参院定数40、衆院比例定数80削減、矢継ぎ早に反国民的な政策を打ち出してきました。
 それでも、当初支持率がV字回復したのは、鳩山内閣を誕生させた2つの力と同様の勢力に、幻想と期待があったからです。

 2、保守2大政党のお風呂は小さくなったが、新党の躍進で保守総体の得票寡占率は変わっていません。何故共産党、社民党は後退したのでしょうか。死票はいやだとの小選挙区制の害悪がきいてきています。悩んでいる国民に代案を示し確信させきれなかったのではないでしょうか。
 民主党代表選挙では、マスコミの応援によって菅政権の続投となって、再び支持率のV字回復がありました。日米同盟回帰、構造改革回帰へと世論が注目すべき変化を起こしています。やっぱりしかたがないのか…が現局面の国民の気持ちでしょう。

 3、構造改革、地域主権改革がこの先加速するでしょう。 大阪橋下、名古屋河村型構造改革が全国展開され、ナショナルミニマムの解体、地方公務員リストラなど狙われています。所得税累進制とセットでの法人税引き下げ、消費税引き上げなども行なわれようとしています。
 新安保懇で軍事大国化の議論が出てきています。武器輸出3原則の見直しや、自衛隊の海外派兵恒久化法などの議論が進められています。

 4、今、私達には機敏に闘いに立ち上がることが求められています。構造改革でもない利益誘導政治でもない、新しい福祉国家の構想を具体化し国民に訴えかける必要があります。特に急がれるのが9条と25条を具体化した次の政策です。

 (1)社会保障の全体像を具体化し、雇用と社会保障を強化する政策

 (2)大企業法人税の改正など、安定財源の確保、福祉国家型財政政策

 (3)大企業本位でない経済成長政策

 (4)福祉国家型の真の地方自治と民主的な国家政策

 (5)日米安保体制のない日本の安全とアジアの平和憲法9条を生かす日本を

結びに

結びに
 去年の政権交代は、運動の力で作ったかつてないものですが、財界、アメリカの巻き返しで大きく変質、運動側が観客状態になって立ち遅れています。9条と25条を柱に据え、もう一回巻き返す必要があります。名古屋の運動は決定的な役割を担っています。地方を変えれば、新たな福祉国家のモデルが出来ます。

 尖閣諸島問題、マスコミをどうみるのかなどの質問が寄せられました。マスコミに対して、われわれがしっかり勉強して、しっかり伝えることや、いいものも悪いものも多くの評価や意見をFAXなどで寄せることが大切。マスコミは運動のバロメーターだとの指摘もありました。

 講演の全体をパンフにする予定で作業が始まっています。拙いダイジェストでなく、しっかり全体をパンフでつかんでください。乞うご期待です。

(文責 憲法改悪反対愛知共同センター事務局長田中知通・愛労連副議長) 

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