【10.9.18】連続憲法講座4回 52年目に問う安保と憲法 本秀紀名古屋大学教授

7年目を迎えた連続憲法講座本年度4回目は本秀紀名古屋大学教授。
9月18労働会館ホールで開催、参加者は、88名。

(1)安保体制の歴史的転換は「解釈改安保」の歴史であった。

地理的拡大:「極東安保」から「グローバル安保」へ。自衛隊の役割強化:シーレーン防衛から「新ガイドライン」、テロ対策特別措置法、有事関連3法、イラク特別措置法、新給油特別措置法、海賊行為対処法へ(実質的に集団的自衛権の行使へ)。

(2)民主党政権下の改憲動向――参院選(2010)で改憲派の盛り返し。民主党は、本来は改憲派。今は政権の安定的運営を優先させながら、国民の様子をうかがっている。

(3)日米安保体制の現段階――アメリカは、日米同盟をステップにアジア、太平洋での覇権を確立することをめざしている。オバマ新大統領は、画期的な側面をもつが、軍事面では、チェンジなし。民主党も2009マニフェストでは、緊密で対等な日米同盟関係の構築としていたが、2010マニフェストでは、「日米同盟を深化」としている。「普天間基地移設問題では日米合意に基づ」くとしている。

(4)軍事同盟に未来はない――アメリカ国内の重要なポジションにある人々から軍事同盟見直しの発言が続く。バーニー・フランク下院歳出委員長:「沖縄に海兵隊がいる必要はない。2010年度軍事費は、歳出全体の42%にのぼり経済活動や国民生活を圧迫している」。ゲーツ国防長官(2010・5・3)「防衛予算の長期予想は国の財政全体の健全性に本質的に関係します。」

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