福島原発事故から学ぶ
3月11日発生した東日本大震災による福島第一原発事故の収拾に今もめどが立たず、深刻な事態が続いている。「安全を確保するまでに数カ月かかる」と政府高官が述べているが裏を返せば数か月間放射能を垂れ流しにするということである。早く原発を封じ込め被害がこれ以上広がらないよう願うばかりであり、そのための協力や被災者の支援は当然のことである。
が、もう一つ、私たちには早くなさねばならないことがある。日本のエネルギー政策の大転換である。自公政権が長期にわたって推し進め、民主党政権も何の抵抗もなく引き継ぎ、さらに拡大しようとしている、原発中心のエネルギー政策から脱却する道を、今こそ探さねばならない。
原発がなくなれば電力需要を満たせないとか、CO2を排泄しないのでクリーンだ、などの宣伝がされているが、これも「原発安全神話」と同様、意図的なもの。融通の利かない原子力発電がエネルギー安全供給体制をゆがめているし、開発・廃棄物処理等を考えれば、全くクリーンではない。
濃縮ウランの製造・プルトニウム管理や放射性廃棄物処理、その何万年にわたる管理、廃炉の費用等を考えると、原発は危険が常に伴う上、経済的にも全く割が合わないし、未来の世代に多大な負担を負わせる。それだけの時間とお金と労力を自然エネルギー開発に向ければ、省エネを推進しつつ、エネルギー需要は充分まかなえる。
事は急ぐ。明日にでも起こるかもしれない東海・東南海大地震の前に、その震源地の真上にある中電浜岡の原発を止めなければならない。(瑞穂区革新懇代表世話人・Dさん/2011.4.9記)
愛知県議会議員選挙(4/10投票)を終えて
4月10日、全国41道府県議選の一環として実施された愛知県会議員選挙(定数103)は、震災後の「自粛ムード」の中で論戦が盛り上がらず投票率も42.01%(名古屋市内は32.71%)と過去最低。新たな当選者は次のとおりでした。
・自民党 56→49議席(市内10)
・民主党 35→26議席(同 6)
・公明党 7→ 6議席(同 2)
・減税日本 1→13議席(同 13)
・日本一愛知の会0→ 5議席(同 1)
・無所属 0→ 4議席(同 0)
特徴は――、
(1) 県会過半数を占めていた自民党が半数を切った他、民主は▲9、公明も▲1と軒並み議席を減らした。みんなの党も、日本共産党も議席は取れなかった。
(2) 一方、河村市長率いる「減税日本」がトリプル選挙の勢いにのり(無投票の中川・中村を除く)市内14区中13区で高位当選、大村知事が会長の「日本一愛知の会」と併せて18議席を獲得、自民党を中心とした推薦候補を含めれば県会の4割を超す45議席という一大勢力となった。
(3) マスコミはこの結果に「推薦候補を含めると大村与党は45議席に達するが目標の過半数(52)には届かず、対決姿勢を強める自民の動向と併せて、知事の県政運営が注目される」と書いた。「県民税10%減税」も「中京都」構想もどうなるか――
(4) 最初に触れたが、今回8年ぶりの議席回復をめざした日本共産党は、緑区(定数3)、春日井市(同4)、一宮市(同5)、豊橋市(同5)の4選挙区に候補を絞って必勝を期したがかなわず、どこも次点にも届かずに落選の憂き目を見た。掲げる政策は一番しっかりしていると思うが、なぜ勝てないのか、徹底した総括が求められる。
(5) この結果、財界・大企業本位の大型開発や「構造改革」に反対し、革新懇が掲げる3目標「くらし・平和・民主主義」を大切にする議会勢力は依然として不在という県会が続くことになった――というと言い過ぎのようだが、実際、切実な県民要求を受け止め、請願の紹介議員となってくれる議員を探すのに苦労する状況は変わらぬだろう(社民党は候補者も立てず、民主党もあてにならない)。
●<東京は260万票で石原4選!>
以上は、東京都知事選や他の道府県議選の結果を見ての感想でもある。
自ら否定していた4選を告示直前に翻して出馬表明し、震災を口実に街頭演説も政策論争も避けた石原氏がなぜ260万票か。「東京に福祉の心を取り戻す」と主張した小池氏が62万、宮崎県知事を1期で辞めた東国原氏が169万票というのはどう受け止めればよいのか――正直、気持ちが萎える。共産党の空白県が愛知のほか栃木・神奈川・静岡・三重・滋賀・福岡に広がったのも、橋下知事の「大阪維新の会」が府議会の過半数を占めたのもショックだった。
何が問題か。打開の道はどこにあるか――よく考え、率直に話し合わねばならない。そして切実な要求の実現へ地道な努力を重ね、できるだけ多くの人々と心を通わせて「共生のネットワーク」を築く必要があると思う。
(2011.4/11記)
「政治変えたい」思いは強いけれど・・
4月12日(火)の瑞穂区革新懇世話人会は、知事選~出直し市議選で候補者として奮闘された土井さん・島田さんに敬意を表しながら「一連の選挙戦」を振り返り、「世の中なかなか変わらないね」「どうしたらいいのかねぇ」と率直に話し合いました。出された意見の中からいくつか紹介します
◆共産党の政策・人柄はいいのだが・・
他候補と比べ土井さん・島田さんも東京の小池晃さんも政策や人柄は抜群だし、有権者に正面から訴えた意義は大きい。でも浸透しないのは何故かなぁ。
◆マスコミの影響は圧倒的・・
石原、東国原、河村、橋下の得票はマスコミの影響が大きい。民主の低迷で「二大政党」のメッキが剥がれた今、有権者はしがらみがない強烈な個性の首長の大胆な発想や突破力に期待し、そんなリーダーが政治を変えると思っている節がある。「政治を変えたい」という強い思いが、毎日のようにTVに出て露出度が高い河村などに集まるのではないか。
◆有権者に共感を広げる日常活動を。
・その点、マスコミに無視される共産党の前進は容易じゃない。どんなに政策が良くても知らせて共感が広げられなければ議席には届かない。
・活動家の層や運動量が減っているのも響いていると思うが、だからこそ共産党ならではのきちんとした批判や、困っている人たちに手を差し伸べる地道な日常活動が大切だ。その中から有権者に共感を広げることが必要だと思う。
◆若い人のエネルギーにも依拠して。
・選挙運動では他党は若い人がかなり関わっているように見えるけれど、あれはみんなアルバイト?
・バイトもいるだろうけど「政治を変えたい」という人に集まってもらって、その人たちの思いやエネルギーに依拠した運動をめざすと、比較的若い人も来るのでは? 「減税日本」もある面ではそういう市民の思いを上手に拾っている。
◆みんなで力を合わせる運動を。
・その点は学ぶ必要がある。票をどう増やすかも大切だけれどそれ以上に市民のために何が必要か、何をするかから出発し、そのために皆で力を合わせようという運動が大切だ。
◆高位当選者の活動に学ぼう!
・全体に減っている中でも一方ではトップ当選も定数2で議席を得たところもある。そこにどんな秘密があるのか学ぶことだ。きっといろんな教訓があると思う。
◆震災の救援にも取り組もう。
・ニュースで見たが、名古屋市は被災地へ救援チームを送るとか。河村市長もたまにはいいことをやる。
・あれは職員間の議論を河村が上手にすくいあげた結果だ。大津波で行政機構が根こそぎ壊れた市町村へは、ノウハウを知っている自治体が救援チームをパッケージで送るのが有効なんだ。
・東海市も釜石へチームを派遣するとか。私たち市民有志も、現地の受け入れが可能なら手伝いに行きたいね。
◆原発政策の転換を。浜岡の中止を!
・原発事故も深刻だ。政策の根本的転換がいるね。
・この地方では、世界一危険な浜岡原発の中止が急務。早急に中電へ申し入れを。
6月18日(土)に「平和と人道の旅」を企画します!
瑞穂区革新懇の世話人会では、かねてより「たまには平和ツアーのような企画にも取り組みたいね」「思い切って沖縄ツアーを組むとか、松代大本営を見に行くとか」という話が出ていましたが、4月の世話人会で「宿泊を伴う旅はもう少し先にし、最初は日帰りツアーを」ということに落ち着き、平和委員会の高橋信さん(理事長)に案内をお願いして、太平洋戦争末期に中国人・朝鮮人が強制労働を強いられていた東濃の地下工場跡などの知られざる戦跡巡りと、ユダヤ人救済で世界に知られる杉原千畝の記念館(八百津「人道の丘」)などを訪ねるバスツアーを6月18日に企画することでまとまりました。
事務局が相談の上、具体化し、5月連休明けにはチラシで案内できるようにする予定で、その時は「みずほ九条の会」などにも呼びかけるつもりです。
どうぞご期待下さい。