政権交代と子ども不在の教育環境 川合富雄(名古屋市小学校教員)
政権交代で世の中がよくなると考えた人も多かったのではないでしょうか。ところが民主党政権は自公政権と変わらない内容に変質してきました。国民との約束の「マニフェスト」でさえ、放棄しようとしています。こうした中で、学校の教育は揺れ続けてきました。小学校では今年から学指導要領が本格的に実施されています。新しい教科書は分厚くなり、子どもたちに教える量が増えたことが一目瞭然となりました。
期待された小学1・2年生からの35人学級は、国の財政難を理由に小学1年だけに限定されてしまいました。県の35人学級は国が制度化したにもかかわらず、その枠を広げることはありませんでした。このことでは、がっかりした保護者や教育関係者も多いのではないでしょうか。
名古屋市では議会のごたごたから予算の成立がほぼ1か月遅れ、買いたいものも買えず、子どもたちに苦しい学習環境を与えることになってしまいました。
学校の予算の中で一番重要な「標準運営費」はここ5年変わらず、最高時の6割の水準です。我慢を強いられる状況の中で、現場は上意下達の「管理主義教育」が「新自由主義」の自己責任論と相俟って広がっています。こうした中で、学校の現場では、若い教師の比重が増えています。若い教師の力量をどう高めていくのかが、子どもたちの安心・安全を進めていく上で焦眉の課題となっています。