【12.10.16】日本を抑え込む安保のくびき-革新・岡崎の会ニュースNo.104より

オスプレイ、原発から見えてくる日本を抑え込む安保のくびき安保条約を廃棄して、日米友好条約を

 オスプレイをめぐって、「配備は安保条約上の権利だ」とするアメリカ政府と「あれこれ言う権限はない」とする日本政府の態度・姿勢は、日本人の生命よりも米軍の事情を優先する大本に日米安保条約のあることをわかりやすく国民に示しています。

◆オスプレイに怒っている◆
 中日の12年9月12日付「沖縄県民の『声』よ、届け」と題する「オスプレイ反対」の社説は、オスプレイそのものについて「そもそも航空機が度々、人為的ミスで墜落していいのか。
 万が一ミスがあってもそれを補い、最悪の事態を避けるのが当然ではないか。人為的ミスが頻繁に起き、そのミスを補えないような航空機を安全とは言えないのではないか」と問い、「そんな当然の疑問に、日米両政府は答えようとすらしない」と批判して、「在日米軍基地の74%が集中する沖縄に、普天間返還のためとはいえなぜ新しい基地(名護市辺野古)を造るのか」と日本政府に、「米国内では住民への配慮でオスプレイ訓練が中止されたのに沖縄ではなぜ強行するのか」とアメリカ政府に憤りを隠さず、「日米両政府の差別的構造にこそ怒っているのだ」としています。

◆米国言いなりは必要ない◆
 そして、「民主党代表選、自民党総裁選が行われ、新しい党首が選ばれる。米国や官僚言いなりの指導者は、今の日本には、もはや必要ない」と言い切って結んでいます。
怒りと憤りは伝わってくるものの、「米国いいなり」の大本に日米安保条約があることを明らかにし、廃棄の展望を示せないでいます。
野田民主であれ、安倍自民であれ、「日米同盟堅持」の党からは、中日の期待するものは生まれません。ないものねだりです。それは政権交代の3年間の苦い経験が国民に示したのではないでしょうか。

◆原発ゼロ、閣議決定せず◆
 政府のエネルギー・環境会議が9月14日にまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定が見送られた背景に安保があったことがはっきりしました。
 新エネ戦略そのものが、国民に2030年時点での原発のありようを問うたにもかかわらず、2030年代と10年も先延ばしを図ったものです。再稼働を前提にし、計画認可した大間原発などは建設を認める(これでは40年限定でも2050年代にまで原発は残る)など、即時撤退をも求める国民の願いとは乖離したものです。
そうではあっても、政府の世論調査(パブリックコメント)で「再稼働反対、即時ゼロとの意見が割を占め」、政府の討論型世論調査でも30年までの原発稼働ゼロを求める国民が半数近くと圧倒的でした。そして、官邸前金曜行動が大飯原発再稼働後の衰えず、半年以上も続き、全国に波及するような国民的運動に押されて、「2030年代に原発稼働ゼロ」の文言を文書に入れざるを得なかったのです。

◆「国益」とは米国の「国益」◆
ところが、9月22日付中日新聞朝刊に「閣議決定回避米が要求」「安保に影響懸念」と見出しが躍り、「事前に米側に報告して『原発稼働ゼロ』決定への理解を求めようとしたが、米側は日本が原発や核燃サイクルからの撤退し、安全保障上の協力関係が薄れることを恐れ、閣議決定の回避を要請したのではないか」と政府関係者の指摘を紹介している。そして、解説には、「『原発ゼロ』を求める多数の国民の声を無視し、日本政府が米国側の『原発ゼロ政策の固定化につながる閣議決定は回避せよ』との要求を受け、結果的に圧力に屈していた実態が明らかになった。『原発ゼロ』を掲げた新戦略を事実上、骨抜きにした野田内閣の判断は、国民を巻き込んだこれまでの議論を踏みにじる行為で到底、許されるものではない」とし、意見交換の中で、米側は「再三、米側の『国益』に反すると強調したという」。
原発推進の野田首相や安倍、石破氏が「国益」というのは、日本ではなく、米国の「国益」であったのです。

◆安保をなくせば展望が◆
 5月12日の全国革新懇総会での志位和夫日本共産党委員長の「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」と題する講演をぜひ読んでいただきたいと思います。
そこでは、安保条約第10条に基づいて、安保破棄を相手国に通告する政府「民主連合政府」を私たちがつくれば、第一 米軍基地の重圧から日本国民が解放される、第二 アメリカの”戦争の根拠地”から、憲法9条を生かした“平和の発信地”に、第三 日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられる。そして、日米友好条約を締結して、アメリカと対等・平等、真の友好を築き、138カ国54億人(オブザーバーを含む)が参加する巨大な潮流として発展している非同盟諸国首脳会議に合流し、「世界の進歩への大きな貢献の道を開く」ことができると。(代表世話人・F)

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