【21.06.27】シリーズ学習会「実現しよう 希望の持てる社会を――2021年総選挙で」

第一回:だれ一人、取り残さない社会を

 
 秋までには行われる総選挙にむけ、『実現しよう希望の持てる社会を』をめざす、第1回学習会『だれ一人、取り残さない社会を』が6月27日、労働会館で開催。会場参加40名、オンライン参加19名。司会は西村秀一代表世話人。
 冒頭、田辺準也代表世話人が挨拶。学習会は3回予定。

医療現場から――早川純午さん(愛知県民医連)

◎コロナ感染症の特徴は、呼吸器感染症であり無症候者でも感染源になりうる事。軽症でも急に悪化する。
◎なぜ、簡単に入院できないのーー対応するには感染防御の施設及びECMOなどの設備や感染症専門医、看護師が求められる。普通の2・3倍の人材を要し、誰かがすぐに代わることができない。
◎公費負担から受益者負担ーー社会保障行政の大改悪が行われてきた。臨調行革では、医療制度がこのままでは税制破綻するとして (1)医療費総額の抑制 (2)自己負担の強化 (3)医療供給体制の「合理化」が行われた。医師・看護師不足の進行。

生活保護制度の意義と役割――藤井克彦さん(ささしまサポートセンター)

◎コロナ禍で生活困窮者が急増。失業給付の延長措置を求める人、「住居確保」給付金の新規支給件数、生活保護申請者などが急増。
◎生活保護制度とは最後のセイフティーネットである。(1)最低限度の生活を保障するとともにその自立を助長することを目的とする (2)無差別平等が原則で性別・身分・困窮原因は問わない (3)定まった居住地のないものも現在地で保護が受けられる (4)居住保護の原則 (5)外国人の生活保護利用の権利も。
◎今後の課題は、(1)生活保護基準の引き上げ (2)生活保護担当職員の増員 (3)家族への「扶養照会」をやめるなど。

会場から発言

◎看護師・一度、病室に入ると1時間はかかる。精神的緊張がたかまるのでなかなか寝つかれない。2交代勤務で、月9回の夜勤をする人も。高齢者から入院させる。生命の選別を行うことにもなる。看護師は心身ともに疲弊している。

◎三輪勝さん(飲食店経営)・緊急事態宣言下、アルコール禁止で20時まで営業。テイクアウトをやり従業員を減らしている。利益は普段の半分以下。感染防止のための設備を整え炭素モニターも。生ビールには賞味期限があり、廃棄したこともある。

◎葛谷輝起さん(愛労連労働相談)・2019年、20年相談概要一覧表にもとづき報告。5年以上働いていて雇い止めになったり、休業手当支給されない(国の助成金を企業が申請しない)ことも。退職しても失業保険がもらえないことも。

◎高橋真生子さん(共産党コロナ対策委員会)・愛知県にPCR検査の拡充を求めている。ワクチン接種では大規模接種がストップする事態も。非正規で20年働いても休業手当の支給対象とならない事態も。DVなど弱い立場の人が追い込まれている。

◎古川大暁さん(民青県委員長)・多くの学生はアルバイトによって生計を立てており、コロナ禍でアルバイトが減り、生活が成り立たない。大学での学びが壊されている。食料支援を100回、四千人に行った。「一週間、生きていける」と喜ばれる。学生の多くはこの現実をなんとかしてほしい、したいと考えている。「一緒に社会を変えよう」の訴えが響く状況が広がっている。

◎名古屋市ケースワーカー・中区は16区のなかで一番生活保護の申請者が多い。仕事が減りうつ病になる人も。区役所では非正規労働者が増えている。昨年、名東区役所で職員が背後から刺される事件があった。もう少し職員が多ければ起きなかったかもしれない。一人ひとりに寄り添う仕事ができにくい。

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