五島 良子 さん
１９６９年生まれ。愛知県名古屋市在住シンガーソングライター。電気グルーヴ くるり等にボーカルで参加。中島美嘉さん、中山美穂さん、高橋真梨子さんなどに楽曲提供。90年デビュー。ベスト盤含むアルバム10枚をリリース。’99年「ネスカフェ」ＣＭをはじめ、’00年には「世界ウルルン滞在記」のエンディングテーマを担当。
いてもたってもいられず
高校卒業後２年ほどアマチュアで活動、デビューが決まって21歳で上京しました。名古屋に帰ってきて６年になります。今はマイペースで活動しています。
最近、いてもたってもいられず「君知りたもうことなかれ」という曲を作りました。（６面参照）「原発、貧困、特定秘密保護法」など日本は問題ばかり。「安倍政治を許さない」という思いを歌にしてユーチューブにしたのですが、聞いて下さる人もいて、国会前で行動している音楽好きな人たちが歌うという話もあるそうです
人生で初めてデモに参加
私は政治に無関心、ネガティブな無党派でした。こんな私でも第二次安倍政権が誕生したことで不安が募っていきました。２０１４年12月に特定秘密保護法が施行されてますます危機感を持ちました。
私は表現者です。表現をすることが奪われてしまう、黙ってはいられない。何かしなければとの思いが沸いてきました。
その年の９月、映画「標的の村」を観てすごくショックをうけました。沖縄のことは何となく報道で知っていましたが、目を閉じて見ないふりをしていました。 沖縄で起きていること、自分たちの土地を守ろうとする姿、人々を寄せつけない政府のやり方に腹が立ち、その後しばらく頭がじーんとして「どうしよう。どうしよう」と思っていました。 私のように思っている人がいるのかしら、とツイッターで名古屋のデモを探していたら「アンティファ７５８」が名古屋駅での街頭宣伝をツイートしているのを見つけ、メッセージを送りました。
彼等の中に「電気グルーヴ」のファンの方がいて、その方に「だったら是非、スピーチに来てください。」と言われ、初めて街宣車に立ちました。とても緊張しましたが、同じ気持ちの人がこんなにいたんだと感動しました。
事実を知ればみんな動き出すと思います。
躊躇している場合ではありません
「安倍政治はおかしい」と思っているのに、「デモをやっても何も変わらない」と言う友達がいます。「みんなが声を上げなければ世論にはならない」と話すのですが、なかなかわかってもらえない。
けれどそんな友達も「『君知りたもうことなかれ』はいいね」と言い、他の人にも勧めてくれました。感性に訴えることも、動きを大きくしていくためには大事なのではないでしょうか。選挙に参加する人を増やすためにも活かしたいと思います。
いま、躊躇している場合ではありません。
特定秘密保護法でも強行に通過させて、その後「説明をします」と言いながら全く国民に説明はありません。一事が万事、結論ありきです。卑怯なやり方ですから許せないです。
希望を見いだした
昨年の９月１９日に強行採決されたときは本当に悔しくて朝まで泣いていました。でも、国会の中と外が繋がっている感覚はあって、そこに希望を見つけました。
そんなとき、共産党が戦争法廃止の国民連合政府を提案してくれたのです。それを聞いてこれから私達がやるべき事が見えたと思いました。「これなら勝てる！」みんなでその船に乗りましょうよ。
自民党などが緊急事態条項を「自然災害などに必要だ」と言っていますが、現在の法律で対処できます。自然災害で緊急事態と数えられている国はドイツとポーランドだけです。「世界の国のどの憲法でも緊急事態条項がある」とまやかしを言う大嘘つきですね。許せない。
何が何でも参議院選挙で阻止をしたいです。
いつもポジティブ
諦めずに手を繋ぎ合うにはどうしたらいいのか。一人ひとりが政治の主役だという気持ちがあれば、投票に行きたくなるのではないでしょうか。一人ひとりの行動で変えられると思います。
政治のことは脇に置いている人たちに「一人ひとりの生き方を大事にする。そういう政治をめざしましょう。」と訴えていきましょう。
みんなでやりましょう。
何が何でも自公の連立を変えてこそ、ようやくスタートラインに立てるのです。 今は、愛とかを歌う気持ちにはなれない。唯一、歌いたい気持ちは「君知りたもうことなかれ」だったり、デモ・集会で歌うこと、そういう歌を歌っているときこそ役に立っているという気がするのです。
私がやっているブログに、最初のうちは批判的なコメントを寄せていた人もいつの間にか「絶対、憲法は変えさせない」と主張してくれるようになりました。
これからもポジティブに発信していこうと思います。
戦争法を廃止してやっとスタートラインです。９条を高く掲げて立ち向かっていけるような日本になったときに、「愛と平和」をまた歌いたい。
それまで一緒に頑張りたいですね。