改憲を発議させないために
粥川ひろみさん
1960年豊川市生まれ。塾講師。
明日の子どもの自由と安全を考えるママの会の日進の代表(明日ママ会)
市民と野党をつなぐ会@愛知区共同代表。
一人で国会行動に参加
これまで投票にはいっていましたが、若いときには好きなタイプの顔の人に投票していました(笑)。
今回、衆議院選挙に市民の一人として初めてかかわりました。きっかけになったのは、2年前の9月17日、安保法制強行採決です。数の力で押し通しました。
その頃、息子が結婚、息子に子どもが生まれ大きくなったとき、一体どんな社会になっているのかというと思うと恐ろしくなりました。
集団自衛権行使容認を解釈で決めてしまっていいのだろうか、と一人で国会前行動に飛んで行きました。 「安保法制に反対するママの会」(「全国ネットママの会@愛知」)にかかわりパレードや街宣、チャット会議など初めてのことばかりでした。ママの会では「渡り鳥方式」といって、イベントをやりたい人が声をあげその人が中心になり、別のイベントでは別の方が中心になって、イベントのリーダーがどんどん変わっていくのです。だから疲弊せず、居心地よく活動できました。
日進ママの会も代表をしていますが、みんなフラダンスの仲間です。「ちょっと、ちょっと、私がママの会の代表をやるけど、みんな入ってよ。ちょっと受付やって」とすすめています。
これは民主主義じゃない
私はずっと、日進・東郷おやこ劇場の会員で、運営委員をしたこともあります。振り返って思うと安倍政権はおかしいと気がついたのも、親子劇場の活動に参加して培われたものがあったと思います。おやこ劇場はサークル活動です。それは、とてもめんどうくさい活動で、総会でその次の一年のお芝居のラインアップをみんなで決めます。数百ある作品の冊子から選ぶのですが、今の子どもの現状から、子どもたちをどう育てたいか、どういう大人になってほしいかなどと丁寧に話し合い、例会の目標にあう作品を選びます。作品が違っても、大事にしたいことは同じだからねというように。
それは、選挙で候補者を選んでいくことにもつながるものではないかと思います。仙台ではどういう政治を望むのかというところから候補をえらんでいったことを聞きました。
あの場面をおかしいと直感的に感じたのは、政治的には無関心だったけれどおやこ劇場の感覚があったからだと思います。
これは民主主義じゃない。数の力で押していくのは、違うという確信に近いものです。
耳触りのよいウソを見抜くために
「コッカイオンドク」をご存じですか。国会での審議を書き起こして、それを街頭などで音読するのです。 安倍首相の答弁を音読してみると何をいっているのかわからない。
それからウソを平気で言う。原発の汚染水を完全にコントロールしていると本当におそろしいです。耳障りの良い言葉を吐いています。こウソを見抜かないといけません。
だから教育は大事です。
スウェーデンなどの教科書は「あなたも(社会に)影響を与えることができます。」すごいと思いませんか。「意見表明する。デモという方法もあります」と写真つきで教科書に載っています。日本ではこのような教科書は採用されません。
おかしいと声をあげて
あのようなでたらめな解散をしたにもかかわらず、総選挙で自公が320議席と圧倒的多数をとりました。国民がどうして怒らないのか。「おかしい」と声を上げていうことが必要です。
日進市には4人の無党派女性議員がいますが、この方たちが選挙では先頭にたって私たちはそれにはげまされ活動ができました。
希望の党は、すぐに危険な政党だとわかりました。自民党よりももっと右よりの政党です。その後、色々の動きがあり、枝野さんは「市民がつくった政党です」と立憲民主党を立ち上げました。
自公で改憲勢力の3分の2はとられてしまったけれど、野党第一党に立憲民主党がなったことは本当に良かったと思います。
日進市では無党派女性議員を先頭に「比例は日本共産党」と拡げました。共産党は候補をおろしてくれて、愛知7区でも本当に考えてうごいてくれたので、共産党が議席を減らしてしまったことが残念です。
考える市民を増やして
昨年11月23日に発足した「市民と野党の会@愛知7区」が地道に活動をしてきて、山尾しおりさんや6党の皆さんと本当に何度も何度も話し合いをしてきました。市民と野党をつなぐ会の目的はなにかと、原点に立ち返り、みんなで話し合ったのはよかったと思います。それを経ての選挙戦でした。
この先も、話し合いを重ねて継続をし、発展させていきたいと思います。
国民投票、一番怖いのは最低投票率が決まっていないことです。投票率40%だとしても、その過半数20%あれば憲法は変えられてしまいます。そんな馬鹿なことはありません。
それに抗っていかないといけない。発議させない運動が大事だと思っています。
広げていくことで考える市民を増やしていくことになるのではないかと思います。