【21.04.10】愛高教執行委員長・加藤聡也――創造性のある学びのためにも、学校にゆとりを

 
3月号「近ごろ思うこと」に、具ゆりさんのお名前を見つけうれしく思いました。勤務校で、2015年度、卒業間際の3年生に「性暴力・性犯罪を社会からなくすため」について、生徒に問いかけながらの分かりやすい講話をいただいたことを思い出しました。
こうした性の問題やジェンダー平等をめぐるテーマは、高校の「総合的な学習」などで、絶好のテーマだと思います。しかし、めんどうなこととして避ける風潮も、残念ながら現場にはあります。
コロナ禍を奇貨としてICT教育の流れが一気に加速しています。生徒一人1台のタブレット配付が進行中です。セッティングにあたる現場の過重労働や、保護者の経済負担の問題など課題は多数あります。
読者の皆さんは、ICT機器の利用拡大をどうお考えですか。私たちは、コンピュータを「教える道具」とするのではなく、「学びの道具」とすべきと考えます。膨張する教育市場にとっては、教育コンテンツは大きな魅力。各社が競って「漢字プログラム」のような教材を開発しています。教師が安易に飛びつけば、創造性のない授業になってしまいます。一方で、ネットワーク技術の進歩により、例えば修学旅行で沖縄や海外を訪れる前に、現地の生徒たちと意見交換をするような学習が可能になります。
私たち組合が長時間過密労働の解消を訴えるのは、「やらされる授業」ではなく「創造する授業」が必要と確信するからです。

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