【11.12.23】思い出の映画「カサブランカ」―荒川和美(弁護士法人リブレ弁護士・革新愛知の会代表世話人)

 
 1943年にアカデミー作品賞を受賞したアメリカ映画で、ご存じの方も多いと思います。私は大学時代に学園祭で見て以来、十回以上は見ている映画(ビデオなど)です。観るたびに発見があります。
 ところで、映画の最後、フランスを代表する自動車と同名のルノー警察署長は、ビシー水というボトルをゴミ箱に捨てます。私は、警察署長がレジスタンスの隠れた仲間だと暗示し、反ファシズムの連帯を表現したものと最近は考えています。
 そのきっかけは、日本の裁判員制度が、フランスの旧参審制と瓜二つで、最高裁は承知のうえで、あえて採用したと言っている弁護士がおり、調べたところ、フランス旧参審制は3名の裁判官、6名の参審員の単純多数決、情状も扱う制度でした。
 ナチス傀儡政権ペタン内閣は、レジスタンスを激しく弾圧し、刑事裁判は政治犯を迅速かつ重罰処分することで、ナチス支配を強化する役割を果たしていました。
 ペタンは出身地がビシー地方で、ビシー政権と呼ばれていました。つまり、ビシー水をゴミ箱に捨てることは、ナチスに対するレジスタンスを象徴していることになるのです。 
 ほんとうかどうか、興味の湧いた方は観てみてください。

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