【10.10.06】一宮革新懇 第11回総会開催

第11回総会開催 「地域と福祉をいかしたまちづくり」の講演

 9月23日に、第11回総会を民主センターで開きました。総会の記念講演は、「地域と福祉をいかしたまちづくり」という演題で板倉正文(一宮市議)さんにしていただきました。
板倉さんのお話の要点をお知らせします。

 はじめに、理想のまちとは、子どもや障害者、高齢者などが安心した生活が保障されていること、また、これから高齢社会に向けて歩いて行かれるような距離での生活ができるところであってほしいなどと考えるとまちづくりの範囲は小学校区がいいのではないか。旧一宮市では児童館を中学校区ごとに建設してきたが、今学童保育の場合、小学校区ごとに児童クラブを作って行われています。小学生の低学年が通える範囲といえばやはり小学校区にあれば利用しやすいように、高齢者にとっても同じことがいえるのではないでしょうか。そして、高齢者が集まりやすい場所(憩いの家、小規模体育館付きコミュニティー施設、地域図書館、公民館など)を作っていくことも大切なことです。

 ところが、現在の一宮市政は、どうでしょう。巨大施設建設が目白押しです。谷市長は「現在の一宮市が目指す方向は20年30年先に評価される」といって推進しています。
駅前ビルは、年3300万円の地代、50年契約3年ごとに更新、建設費66億円、維持費3億円(50年で150億円)雇用は20人増、中央図書館を入れて、人を集め、本町の活性化につなげるとしています。

 総合体育館は、ほぼ完成しました。建設費75億円、維持費3億円、雇用は15人程度、市民大会が一会場でできますが、しかし、場所的に不便、交通の便も悪い。
 新市庁舎 建設費120億円、維持費4億円。一極集中で何でも一カ所でできます。しかし、旧尾西、旧木曽川庁舎は造ったばかり、そこでのサービスを充実させることが対等合併の精神のはず、地域出張所のサービスを向上させてより身近に行政があるようにしていくべきではないでしょうか。

 これらの建設に多額の税金を使うことが、今の市民の生活からみて本当に必要なことといえるのでしょうか。また、合併して以後市政は尾西市民病院、今伊勢分院の民間移譲、里小牧南保育園の廃園、その一方で保育園のマンモス化、市民病院の巨大化を進めてきました。子どもの医療費は県下最低ランク、高すぎる国保税滞納は約15000世帯(国保全世帯の1/4)で差し押さえの強化、旧木曽川での35人学級は小1から中3まで行われていたのが、現在は小1・2中1だけと後退、旧尾西・旧木曽川では、小学校ごとに児童館があり、単独学校給食、保育園にはオーブンもあり、休憩室もあります。しかし一宮では給食は共同調理場で13000食、保育園にはオーブン、休憩室なし、という状態。こんな風に、合併の約束「サービスは高い方に、負担は低い方に」は守られていません。

 国・県が進めてきた合併は、大型開発への道でした。これに耐える財政と職員が必要になってきます。福祉・教育・暮らしの後退させないための議員を増やす、職員と地域住民とが協力し合う体制をつくる、県政からの補助金を増やしていく、などやっていくことが求められています。

 中核市になると、保健所機能・障害者窓口等を市がみることになり、このままでは財政力はありません。ソニー跡地48億円で購入などというのではなく、その金があれば市内中小零細企業の資金にすることが大切です。また、大型開発は地域業者の仕事にならない、総合体育館への地域業者の参加は9.6%でした。

 こういう状況の中で一宮市独自で一宮市にあったまちづくりを、今考えていくことが重要です。国が進めようとしている地方分権・地域主権に乗らないで憲法の基本的人権と25条を中心とした社会保障を貫くことが基本となり、独自財源を確保していくことが大切です。

 小学校区単位のまちづくりを柱として進めていきます。地元業者に仕事が、新たな職場が、人口増が、生活しやすいまちづくりになっていきます。30人学級を国や県の施策に左右されるが一宮独自に実現していく、そして給食も自校方式に切り替える。100床の特別養護老人ホームを建設を進める、建設費15億円を10箇所、市単独で20億を10箇所合計350億円雇用が120人で、20箇所で2400人、その人たちに安価な住宅を提供し一宮市に居住してもらい、市税のアップ、子どもも増えます。医療費については、中学校卒業までと75歳以上の入院・外来の無料化は8億円でできます。国民健康保険の保険税(所得の15~16%を10%に引き下げた国保税へ、そして限度額は国保法で守る)として、社会保険並にする。世帯主の病気等で傷病手当月額7万円の保証をする。住民検診の受診率44%を引き上げるために、癌検診料金の引き下げと対象枠を広げる取り組みをして4,5年先には医療費を引き下げることにつなげていきます。また、10台のバスで2億円の費用で可能な市内福祉循環バス(iバス)の充実していくため、地域住民と検討をしていきます。障害者に見合った施設(民間受託の活用を含めて)の提供と自立へ向けて地域に支援センターをつくっていきます。一宮市の伝統文化の掘り起こしと充実へ向けて地域ごとの祭り、芸能踊り等々の伝承をはかるために地域文化としての意識を持たせるために子どもたちへの働きかけを強化していきます等々が考えられます。

 最後に、一宮市の特色を生かしたまちづくりとして、繊維をどう生かしていくのかを住民と本気で検討をしていくことが必要です。繊維業者に対してアンケートも行わない行政では、繊維業者の気持ちはわかりません。繊維業者の意向を大切にして、ファッションデザインセンターと県の繊維施設との共同の取り組みをし、地域・若者などの知恵と発想を生かしていかしていく体制をつくっていくことが求められます。また、日本一おいしいといわれる水の活用、濃尾平野の平らな土地と木曽川を生かしたまちづくりも考えていくことが必要です。

 板倉さんは、駅ビル、新市庁舎、総合体育館はどうしても必要というものではない。特別養護老人ホーム、学童保育所、療養ベッド、障害者施設等々いのち、生活、子ども・高齢者・障害者の安全に関わることは待ったなしの課題だと思うと本当に「市民の税金の使い方・使い道」について考えなくてはならないことと強調されました。

 このあと、話し合いがもたれました。今までの例会でも福祉によるまちづくりが大切と話し合ってきました。その方向に単位として小学校区ごとのまちづくりという提案は支持され、その上に一宮市全体としてこういうまちにしていきたいというビジョンをつくっていくことが大切で、福祉だけでなく産業、特に繊維をどうするのか、また、商店街(本町だけでなく各地域の商店街も含めて)をどうしていくのかを考えていきましょうという結論になりました。

会員を増やし100名めざす!

第二部の総会では、今年度の活動について、情勢、今後の取り組みについて話し合いました。
ひきつづきまちづくりや、9条・暮らしを守る運動を強める。

事務局体制の確立、合併に伴い旧尾西地域、旧木曽川地域にも会員を増やし100名以上の会員をめざす、などを決めました。

11月6日には、自治基本条例シンポを行います。

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