成瀬 昇(革新・愛知の会代表世話人)に聞く
全国革新懇27回総会で、代表世話人の一人に品川正治さんを選びました。
全国革新懇の代表世話人、革新・愛知の会代表世話人の成瀬 昇さんに「品川正治さんを仲間に迎えて」の一文を寄せてもらいました。
「前進から飛躍へ」決意みなぎる総会
全国革新懇第27回総会は、安倍「靖国派」内閣の「美しい国」づくりが内外に矛盾を深め共同の条件を広げていること、三つの共同目標で希望ある日本をめざす革新懇運動がますます重要であることを確認し、運動を「前進から飛躍へ」の決意みなぎる成功をかちとりました。
財界人が代表世話人に、 野球で言えば大ホームラン
また、代表世話人の一人に品川正治さんを選びました。品川さんは経済同友会の終身幹事であり、国際開発センター会長でもありますが経済同友会の副代表幹事、専務理事も務められた生粋の財界人です。革新懇運動27年の歴史で財界人が代表世話人に選ばれたのは初めてであり、この人事は野球でいえば大ホームランだと思います。
頼もしい頑固な民主主義者
私は、一年ほど前に品川さんの著作『戦争のほんとうの怖さを知る財界人の直言』を読みその信念的な生き方に感銘しましたが、とりわけ次の言葉が私の脳裏に刻みついています。
「成長ばかりを目的に追い求める今流の経済の呪縛を解き、国民の生活に役立つ本来の経済に立ち返る時がきたのです。経済が国民生活に従属した姿にです。政治はと言えば、これは企業社会のものではなく、市民社会のものであることを肝に銘ずることが決定的に重要です。それが民主主義の原点だからです。」
品川さんは頼もしい頑固な民主主義者だと私は思いました。
歴史の歯車は動いている
6月25日、総会後最初の代表世話人会が開かれ品川さんは要旨次のような挨拶をされました。「主権者は国民だ。戦争するのも人間、止めるのも人間だ。これが私の座標軸だ。私は、憲法とくに九条への愛着が強い。戦争をしないと決めている日本が絶えず戦争をしているアメリカと価値観を共有しているといって国民を惑わしているのは許せない。
経済界から孤立感はないし、経済同友会でも持論を述べているし、経済人の会合にも呼ばれている。だれが戦争を起こそうとしているかがわかる時期だ、喜んで革新懇のお手伝いをさせていただく」
歴史の歯車は動いているのです。国民が主人公の政府をめざし、愛知の私たちも胸をはって頑張ろうではありませんか。
品川正治さんの著作から
私は孤立しておるのではない!
私などは最初、「異端」だと言われた。しかし、私の考えが異端ではないと思っている人はまわりにいくらでもおります。自分では言えないが、もっと言ってくれという人はたくさんおります。私は、孤立しておるのではありません。
『戦争のほんとうの怖さを知る財界人の直言』
(P90~P91)(新日本出版社)
前日銀総裁の速水さんも
経済同友会の終身幹事で、前日銀総裁の速水優さんもその一人のはずだ。日本銀行の総裁職にあったときは政治的な発言はできなかったが、憲法改定に対して強い危機感をもっておられる。彼は2人の兄を戦争で亡くし、自身も20代の戦争末期に召集を受けた。敬虔なクリスチャンでもあり、とりわけ9条の改定に反対しておられると聞いている。
『9条がつくる脱アメリカ型国家、財界リーダーの提言』(P58)(青灯社)
9条は21世紀にこそ輝く
9条の理念というものに関して、これに普遍性があるから価値があるといういい方で多くの学者の方たちは話されますけれども、私は違う。普遍性は現在の段階では、ありえない。しかし、これからの世界、21世紀の世界の国家というのを考えた場合には、日本国憲法の普遍性というのが非常に強く出てくる。なぜなら、21世紀の理想は、世界から戦争をなくし、貧困をなくし、疾病をなくす、飢餓をなくすことです。そのことのためには、日本国憲法という世界にたった一つしかない理念、これが21世紀にはむしろ導きの理念になるのではないか。
『これからの日本の座標軸』P312(新日本出版社)