【09.10.10】伊勢湾台風50年に思う 栗木英章(革新・愛知の会代表世話人、愛知文団連事務局長)

伊勢湾台風50年に思う 

 9/26伊勢湾台風50年を考える集い
50年前のその夜、腰まで水につかりながらヒューと飛んでくる瓦やトタンを避けて逃げ込んだのを、昨日のことのように思い出す。その後、高校生だった私は約1ヶ月救援活動に加わり、あらためてその膨大な被害に言葉を無くした。

 その復旧から民医連運動も実を結んでいったことは、小説『われら青春の時』(佐藤貴美子)にも描かれている。

 私の居住地であり、劇団名古屋の出発点でもある南区では、10年近く前に、文化団体の協議会といえる「文化フォーラム・南」を結成。毎年南文化フェスティバルを続けてきたが、会長の原田嘉美子さん自身、著書『レンガの子どもたち』で知られるように、被災地への保育所運動に献身された経験から、「いつかこの記録を皆の力合わせて舞台化したい!」と強く願っていた。

 この度、9月27日に南区文化小劇場で合唱構成劇として上演、念願を果たした。
 これは、地元紫陽花合唱団員の貴重な体験や寄せられた手記をもとに構成し、合唱団、劇団、朗読や太鼓グループの総合力で創りあげたものである。当日は多くのお客さんと共に観劇された体験者は「二度と繰り返してはいかん」「若い人たちが受け継いでくれるのが嬉しい」等と語って下さった。

 ひるがえって、今、名古屋の、日本の防災は大丈夫だろうか。温暖化で台風の大型化が予想されるし、酸性雨でコンクリートの劣化も指摘されている。これからも環境と災害予測をリアルに見つめ、住民運動を粘り強く続ける必要を痛感する。
(革新・愛知の会代表世話人、愛知文団連事務局長)

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