【11.08.29】革新岡崎の会 原発学習会-浜岡原発の永久停止、廃炉で中部をエネルギー先進地域に

原発学習会 浜岡原発の永久停止、廃炉で中部をエネルギー先進地域に-革新・岡崎の会ニュースNo.90より

「革新・岡崎の会」主催の“原発問題”学習会の参加者五二名は、原発問題愛知県連絡センターの三枝豊明氏の、軽妙でわかりやすいお話に、時には笑い、驚き、そしてうなずきました。

◆原爆と原発◆
ウラン235に中性子を当て、熱エネルギーと中性子と核分裂生成物が発生するのは両者とも一緒。原発は制御棒で中性子を吸収し核分裂の連鎖反応を加減する。核分裂生成物とはいわゆる“死の灰”“核のゴミ”で、人類は未だ安全に処分する技術を持っていない。

◆原発と火力発電所◆
火力発電所も原発も蒸気でタービン・発電機を回して発電する点では同じ。
しかし、(1)火力は運転を止めれば熱は発生しないが、原発は崩壊熱が出続ける。(2)トラブルがあったときに原発は放射性物質が存在するために人間が近づくことができず、修復が大変困難になる。(3)火力はCO2が環境に排出されるが、原発は事故時に放射能を持つ核分裂生成物が排出される。

◆原発は未完成な技術◆
原発は未完成の技術で、絶対に過酷事故を起こしてはならない。
(1)過酷事故を確実に防ぐ技術は未完成。(2)使用済み燃料の処理技術が未完成。(3)地震の時の耐震性、津波から防御にもろい。(4)放射性物質の存在により、過酷事故時の対応が困難。(5)廃炉にしても、大量の放射性廃棄物の除染、処理、廃材など低汚染物の建設資材利用など困難な課題が未解決、である。

◆福島第一原発でなにが、今◆
原発は停止しても冷却が絶対条件である。
しかし、福島は、地震により外部電源が喪失し、原子炉内、外部配管が破断、損傷し、津波により一気に非常用ディーゼル、冷却用海水ポンプ類が浸水し、使用不能になるなど、冷却水喪失事故→過酷事故に至る。
原子炉を「止める」は成功し、今は「冷やす」を懸命に行っているが困難を極めている。「封じ込める」はすでに一部は外部に放出し国際基準レベル7の段階。
冷却に遅れが生じた結果、燃料棒が過熱し、被覆管材料が酸化し水素が発生、水素爆発が起きた。さらに、被覆管材料が壊れ、酸化ウランが露出してメルトダウン、メルトスルーとなり、圧力容器、格納容器の破損が生じ、封じ込めができず大量の放射性物質が環境に出ている。
今後は、水蒸気爆発、大量の放射性物質の拡散、放射能に汚染された水の漏れ出しなどの恐れがある。

◆放射線と健康被害◆
急性障害は、放射線が細胞の組織を破壊した結果起こるもので、個体差があるが、一定の放射線を浴びれば、数時間から数日後に必ず発症する。
晩発性障害は、放射線がDNAを傷つけることによって起こる。DNAには自己修復機能があるので、一定量の被爆をしても必ず癌になるわけではない。累積線量が問題になるのは、傷つけられるDNAの数が増えれば、自己修復できないDNAの数も増え、癌になる確率が高くなる。
「直ちに健康に影響…」というが、放射線被爆は、「どこまでが安全か」ではなく少量で発症するかしないかは、確率的であり、少ないことにこしたことはない。

◆浜岡は世界一危険な原発◆
東海地震は、三十年以内に八七%の確立で起きるとされる。浜岡原発は、その震源域の真上にあり、福島と同じ型の原子炉である。浜岡原発は、立地選定がこの東海地震説より以前に行われ、しかも、その後の警告も無視し増設してきた。こんなに危険な、世界一危険な浜岡原発は直ちに停止すべきである。
また、中部電力の需給状況では、浜岡原発を停止しても余裕があり、停電は起こらない(現在浜岡原発は“発電”していない!)。

◆原子力行政、エネルギー政策の転換を◆
「安全神話」と決別し、原発の総点検、新規増設の中止、プルトニウム利用の核燃料政策を中止すること。個別原発ごとに撤退期限を明確にし、原発依存から脱却する。
中部電力の原発依存が一割台と全国で最低なのは、現地を始め住民運動によって芦浜原発を断念させ、浜岡の一、二号機を停止、廃炉に追い込んだ結果である。中部地域がまず原発に依存しないエネルギー先進地域として積極的な役割を果たすことが求められている。

「子どもの未来のためにも、原発に頼らないでほしい」

 7月12日,上和田のピアゴで8名が参加し「原発からの撤退を求める署名」活動を行いました。11時から約1時間、食事の準備の買い物の中、子どもさん連れの主婦の方、年配の老夫婦の方が多い。涼を求めて足早に店内に駆け込んでいく。

◆家族が浜岡に、福島に◆
 ハンドマイクで呼びかけ、ビラを配りながらの署名活動。3~4歳の子どもの手を引きながら、「私の家族は浜岡なんです。両親が住んでいます。東海地震で、もし事故にでもなれば、と思うと心配です。早く原発は無くして欲しいです」と快く応じてくれます。
男性は「家族は福島で両親、兄弟、親戚が住んでおり、放射能汚染の広がりを心配している。絶対安全の原発はウソだった。日本から原発をなくさんといかん」と力を込めて署名。
 「子どもの未来のためにも原発に頼らないで欲しい」「電気料金が上がるといわれるけれどそれでも危険な原発は無くして欲しい」と次から次と集まります。
 
◆電気がなくてどうする!◆
 70代の男性から言われました。「あんた方はすぐに原発、原発と騒ぐが、日本は石油もないしどうするんだ。電気がなくて経済が駄目になったら失業者が増え、日本は駄目になる。もっと原発は増やさんといかんのだ。こんな運動するならあんたは電気を今から使うな!」と。ビラだけでも差し出す手を払い足早に入店されました。久しぶりに“風が吹けば桶屋が儲かる”の原発版だと思いました。経団連会長の米倉氏は「原発停止なんて言っていると、電力不足で企業は海外へ出て行く。」と国民を脅す。こちらが発信源で、男性も風評被害者だとも思いました。
 ハンドマイクの訴えがカバーしてくれます。「今日の電力消費のピーク時、2時の消費電力予報は81%です。みなさんの節電努力ももちろんありますが、浜岡原発を廃炉にしても十分ゆとりがあるんです。熱中症にならないためにも必要な時はエアコンを使ってください…。」
 
◆元気をもらって56筆◆
 そろって署名していただいた老夫婦の方。「あんた方はボランティアでやっているのかね。感心する。この年だから被災地に行って何の手伝いもできんが、せめて署名くらいはさせてもらうよ」と。地震、津波、原発事故の三重苦の被災者に心を寄せる気持ちに、『あんた方はもっとがんばってくださいよ』という励ましにとりました。
 わずか1時間足らずの活動でしたが、56名の方から署名をいただきました。会員の方が「人数が増えるとたくさん署名が集まるなぁ」と、お互いに元気をもらう活動になりました。

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