【14.03.29】緊急討論「黙ってはいられない!安倍政権の暴走――私からも一言」を開催しました。

 
3月29日、緊急討論「黙ってはいられない!安倍政権の暴走―私からも一言」を開催。「私からも一言!」を発言した人は15名。参加者81名。(文責・事務室)

3氏からの問題提起

 
問題提起(1)集団的自衛権を内閣の解釈で行うことは憲法の自殺行為・梅村忠直さん(弁護士・元県議)
 安倍首相は強さにあこがれる人であっても決して強い人ではない。憲法96条を改めようとしたが、世論に従ってあきらめた。
 政治家の劣化、政党等の劣化、有権者の劣化が進んでいる。議論が行われない、考えないまま事態が進行している。
 集団的自衛権の行使は憲法を根こそぎ変えるものである。内閣の解釈で軍を海外に絶対出してはならない。解釈改憲で海外にだすことは、憲法の自殺行為である。中国も北朝鮮もアメリカとの戦争は望んでいない。憲法の精神を守ることが大事だ。こうした会が催されて立ち上がっていくことが大事だと思う。

問題提起(2)アベノミクスで暮らしはよくなるか・田原裕之さん(弁護士・もりやま九条の会世話人)
 安倍政権の誕生、高い支持率は景気回復へ強い期待があったからだ。
 アベノミクスの第三段階に入った。アベノミクスで多くの人々の暮らしはよくならない。三つのごまかしを示したい。①日本経済(GDP)は上がっているのに賃金は一貫して低下している。賃金はアメリカ・110、イギリス・フランス・120。これに対して日本は92 ②企業業績はあがっても暮らしはよくならない。営業利益は賃下げで上がっている。経常利益は本業外の投機でさらに上っている。 ③企業の国際競争力は強化しているが暮らしはよくなっていない。円安になったが輸出はとまっている。企業は生産拠点を海外に移して無国籍化している。家電・パソコンなどは中国にまかせ、ユニット輸出でリニア、原発を売ろうとしている。
 
問題提起(3)NHKトップの人事権が政権に握られ、内部は戦々恐々としている・脇田泰子さん(元NHK記者)
 報道の記者として12年間NHKで働いた。 NHKの内部にいる人たちはトップを代えられないもどかしさを持ち、主体的に考えることができない空気がある。モノが言えない。組織ジャーナリストにとして厳しい状況にある。
 NHKの「放送を考える会」が「放送の自主・自立の危機に際してNHKで働くみなさんに訴えます」とのアピールなどを出して訴えている。
 今回の本質は、安倍政権がメディアをコントロールする狙いだと思う。これをとめることができていない。
 3・11など災害時を見ると、NHKへの人々の期待は強い。(佐村河内を大きく取り上げたことへの謝罪放送を上映)、「耳の聴こえない」大作曲家――どうしてこんなことを見抜けなかったのか。深い反省とともに現場の努力が今後とも大事。

「私からも一言!」-会場発言から《抜粋》

 
◎4月から文部省発行の道徳の本がすべての児童に配布される――第一次安倍内閣は教育基本法を変えた。いま教育現場では、副教材で一方的に愛国心をあおる動きがある。そのうち、教科・道徳になれば、評定することも求められる。
◎尖閣諸島は武力によらず外交手段で解決することが大切――国益が対立したときはどう共生するかが求められている。普遍的な立場が大切だ。いま日本では、中国嫌いが90%いる。これが安倍政権を支えている。私たちは中国と日本とが武力によらず話し合いで領土問題を解決することを求める署名運動を行っている。
◎暴走には致命的な弱点がある――集団的自衛権の行使を閣議決定でやることは、サッカーで手を使うのと一緒で、ルール違反。原発再稼働の強行、戦争責任を認めない歴史認識など未来への展望を持ち得ていない弱さがある。消費税率値上げで80%の人が暮らしはきびしくなると答えている。愛知県弁護士会副会長に面談した。法律家であれば、集団的自衛権の行使を閣議決定で行うことに99%の人が反対する。「あの大阪の橋下さんでも反対という」と応えられた。
◎弱くて困っている人に手を差し延べて欲しい――憲法25条によれば国には社会保障を実行する義務がある。父の生母は栄養失調で死んだ。自分の中に戦争の痛みが生きている。
 就職活動を終えてここへかけつけた。貧困が子どもの心を苦しめている。障害者年金が支払われることになると児童福祉年金で払われていたものを過去にさかのぼって取られた。苦しんでいる人々へのあたたかさのない行政を止めて下さい。このままでは未来に希望がもてない。
◎籾井NHK会長は辞めよ――籾井会長は「慰安婦」を売春婦と事実を誤認したまま発言を続行している。三万人がNHKに声をよせている。籾井会長は辞めるべきだ。
 政権の意向が反映する会長選任、経営委員会のあり方を改めるべきである。
◎言論の自由について日放労(NHK職員の組合)とも考えあってきた―― この10年間、市民と言論実行委員会ではシンポも20回行い、メディアの言論活動の自由を考えあってきた。NHKのいまの状況でますますこの活動が重要になってきている。なかなか現役の記者が参加できない。
◎歴史・事実とリアルに向き合い、きちんとした論戦をしよう――安倍政権の暴走は、信号無視の暴走であり、保守ではなく反動であり、事実を無視する反知性主義だ。
 《アジアの被害・日本の加害》から出発することが求められる。真実と人権を基礎にして討論をやっているか。小保方さんの「不祥事」も理研における民主主義の欠如によるのではないか。

いま市民に求められていること

 
田原裕之さん――(1)市民の疑問に真剣に考えて答えていくことが大事。「アメリカが攻撃されたら…」「我々が我慢したらよくなるのでは…」――これらにどう答えるのか(2)行動する民主主義、発言する民主主義を大事に(3)2016年、衆参選挙まで、何もせずに手をこまねいていてはならない。
 脇田泰子さん――(1)NHKをどうするかはいまや国民的課題になっている。日放労も含めて論議することが必要。外から声を挙げていく事が大事。「安倍さまのNHK」ではなく「みなさまのNHK」なのだから(2)メディアは発信するとき、正しいものを出そうとしている。メディアに対して攻めるだけでは時に、政府を利することになる。受け手がモノ申したい(3)今や若い人たちにはマスメディアではなくインターネットが力をもっている。ここへの対応が求められている。
 梅村忠直さん――(1)安倍首相がきわだっているのは自民党に野中・後藤田のような人材がいなくなっていることだ(2)政治を監視し論戦を十分行い行動していく。広い角度からものごとを見て、相手の考えを受け入れたい(3)日中、日韓などいたずらに対立をお互いあおらず、PM2・5など日本が技術協力をして解決する絶好のチャンスだ。
 閉会にあたって(大島良満代表世話人)
 これからの運動が大事だ。NHK、中、韓問題にも声を挙げていくことが求められる。ここに来ていない極右の勢力に負けてはならない。革新懇運動を大きく強くしよう。

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