【15.05.16】いこまい!あいち・青年革新懇全国交流会2015-1日目(全体会・対談)

 5月16日・17日名古屋市内で「いこまい!あいち・青年革新懇全国交流会2015」(主催・全国革新懇/青年ネットあいち)が開催されました。北海道から九州まで18都道府県から202名が参加。一日目の全体会と二日目の分科会の様子を3回にわけてご報告します。

対談:池田香代子×冨田宏治

 
「徹子の部屋」のBGMが流れ池田香代子さん、冨田宏治さんの対談が始まりました。冨田さんが進行役でしたが、翌日が大阪市都構想に対する住民投票が行われることもあり、まず冨田さんから語り始めました。

(1)大阪市では反ハシズムの統一戦線つくられつつある
 冨田宏治都構想NOの運動があっちでもこっちでも生まれている。住民が身銭を切って行動し始めている。手書きのビラが十何種類出回っている。どこにも属していない人が行動している。「おばちゃん」たちが、手書きのビラをコピー機でコピーしてみんなで配っている。
 橋下政治のひどさ、中央政府の強引さに地域からかつてない動きが生まれつつある。オール沖縄に続いてオール大阪の運動がつくられている。フェイスブックでは、自民党、公明党の人たちの主張が私たちと変わらなくなっている。
 これは日本の大きな変化であり、日本の未来を先取りしつつある。 
 これまでSNSは右翼に乗っ取られていたが、いまネットの上では新しい変化がある。私がネットで主張したことを自民党の人が「シェアさせてもらいます」といって、たちまちにひろがっている。SNSが社会運動を牽引している。(池田さんは地方自治、住民自治が「民主主義の学校」になりつつあると相づち)

(2)いまの若者たちの状況は?
 池田香代子―5月20日から、若者と一緒にアウシュビッツの旅行に出かける。一昨年も行ったがその時若い女性が「日本もひどいことをしたんですよね」と言った。とても驚いた。私は被害者の立場で戦争をみがちだった。若者の視点に希望を感じた。
 冨田―私のつとめている関西学院大学でも就職活動に勝ち抜くトレーニングを行っている。学生は勝ち組をめざすという空気がある。
 池田―30代の3人の方と話す機会があった。3人とも親が共産党員で、若いころは親に反抗したと言っている。でも今は3人ともリベラルな立場をとっている。革新系はちゃんと受け継がれている。
 いまの自民党員は平均すると73歳。あと10年するとゼロになる。保守は「絶滅危惧種」。自民党は安倍首相によって宗教右翼と連携して日本会議が勢力を強めつつある。
 いま私たち団塊の世代ががんばっている。私は学生時代にベ平連に近づいたが、中国の文化大革命の意義を問い詰められて、運動に深くかかわらなかった。この団塊の世代もあと15年するとかたまりはなくなる。

(3)「勝ち組」に敗けない!
 冨田―大阪維新の会を支えているのは若年層というのは嘘。大阪都構想は、若い世代、女性、70歳以上の人たちは反対している。橋下支持の中心は30代~50代の男性、勝ち組だと思っている人、日経族だ。「自己責任」、改革、効率だけを追い求めている。
 池田―かつての自民党は「分配」政治だった。貧しい人、農家、漁村にも目配りしていた。
 冨田―いま大阪市では自民党の議員と共産党の議員が同じ宣伝カーにのって訴えている。新自由主義的保守と靖国派的保守と伝統的保守(地域主義)の3つの保守に分かれつつある。中央(東京)の巨大企業に対してナニワ(中小企業・商業の街)、靖国史観・新自由主義に対して伝統的保守が「大阪(ふるさと)をまもれ!」とハシズムと闘っている。反エリート、地域主義、ふるさと(保守)が知恵を寄せ合っている。

(4)今後にむけて

 池田―平和学ではポジティブピース。戦争がないだけでなく、差別、貧困をなくしていくという意味だ。安倍首相のいう「積極的平和主義」とはプロアクティブパシフィズム。心理学用語で「先に手を出す」ということであり、「攻撃は最大の防御」の側面が強い。国粋主義、歴史修正主義が土台にある 安倍首相はコトバが軽い。「汚染水はコントロールされている」と平気でいう。矛盾したことを言っても何とも思わない。
 冨田―安倍晋三と橋下徹はよく似ている。言葉遊びのようなまやかしがある。私は、いま対面的対話がもっとも大切だと思っている。シール投票などを行っている。大阪のテレビや新聞はすべて橋下派。でも、対面での対話を通じて人間は変わっていく。それは必ず未来に生きてくる。
 
 若い人たちへのメッセージ―質問に答えて
 池田―昔、名古屋の本山駅の近くに住んでいた。学生時代はベトナム反戦、70年安保だった。デモにも行かず、一切政治的なことはしていなかった。
 今の若い世代は本当に厳しい社会を生きていかなければならないと思う。安保法制がたとえ通っても、自衛隊員が発砲をするまでは負けていない。若い人に期待しているし、私たちも負ける気がしない。
 冨田―学生時代、県学連の委員長。名古屋大学の平和憲章制定の事務局長だった。いまの厳しい状況と闘っている若い人々と運動に敬意を持っている。目の色をかえて競争にのめりこんでいる。競争の中でメンタルをやられて、どの薬がきくかの情報交換をやっている。企業内での勝ち負けにのみこまれず、少しでも心豊かに生きて欲しい。友人との心のつながり、家族との結びつきを大切に。「代わりはいくらでもいる」といわれ「君は君のままでいい」と言ってくれる人がいない。若い人たちをあたたかく迎えてあげる居場所をつくってほしい。
(文責:革新・愛知の会事務室長/村上俊雄)

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