小林武さん
新年のごあいさつを申し上げます。ごぶさたを続けています。沖縄移住もこの4月で5年になりますが、日頃とくに感じることは、情勢が常に緊迫していることです。今年は一層強まることでしょう。それは、ひとえに日米両権力が沖縄に難題を持ち込み、人々に犠牲を強いてやまないからです。たたかいは厳しく、道のりは長いものとなります。しかし、沖縄の人々が敗北することはけっしてなく、勝利をかちとることは間違いありません。
翁長知事が前知事による辺野古の公有水面埋立て承認を取消した昨年(2015年)の〈10・13〉は、問題に終止符を打ったものではありませんが、在沖米軍基地の終焉の始まりです。今の局面の焦点は、ひとつは辺野古をめぐる国に対する県の司法的なたたかいで、もうひとつは、普天間基地を抱える宜野湾の市長選挙という政治的なたたかいです。
裁判は、「代執行訴訟」が12月2日に始まりました。知事の意見陳述は、とりわけ沖縄戦以降70年間の、米軍統治と復帰後も続く米国の軍事的支配の実態を明らかにし、民主主義と地方自治、自由・平等・人権と自己決定権の蹂躙がこの裁判の本質的問題であると訴えた歴史的な意義のあるものでした。それに先立ち、国は、本来国民(私人)のために設けられた「行政不服審査」の制度を歪曲して、翁長知事の承認取消しの執行を停止し、工事を再開させました。ここに、「非立憲」の安倍政権の正体がよく現れています。県は、この執行停止の取消しを求めて抗告訴訟を提起します。もうひとつ、「国地方係争処理委員会」の審理が進行しています。総務省内の機関ですが独立性をもっており、注目されます。
宜野湾市長選挙は、辺野古新基地推進の佐喜真淳現市長に対して、翁長知事とともに建設に断固反対する「オール沖縄」の志村恵一郎候補の一騎打ちです。1月24日の投票ですが、すでに選挙戦たけなわです。現職は、前の選挙での移設反対の公約を裏切った後は、前知事、そして政府の代弁者の役割を務めている日本会議所属の人物で、市長の器でありません。安倍政権は、宜野湾市長を橋頭堡とたのんで、総がかりで支援しています。沖縄と日本の未来につながり、戦争法の存廃を左右する、絶対に負けることのできない選挙です。革新・愛知の会のみなさんの沖縄支援ツアーは、大きな励ましになることでしょう。