【11.05.14】浜岡原発は即刻、停止を!!―三枝豊明さん(原発問題愛知県連絡センター)

 
4月25日、原発問題愛知県連絡センターの代表委員の一人、三枝豊明さんに世界で一番危険だと言われている浜岡原発問題についてお話を伺いました。同事務局長の柴田隆通さんも同席され、ご一緒にお聞きしました。

震源域の真上にある世界で一番危険な浜岡原発

 浜岡原発5基のうち、1・2号機は、2009年1月30日に運転を終了し、廃炉の準備に入っています。5号機は昨年の駿河湾地震でたいへんな揺れを記録し、長期間の修理を経て最近運転を再開しました。3号機は定期点検中。4、5号機が運転中です。敷地内に6号機を増設するとの方針でしたが、今、その計画が棚上げになっています。3号機でプルサーマルを今年の春からやる予定でしたが、これも棚上げ状態です。
 浜岡原発は、100~150年周期で起こる東海地震の想定震源域の真上にあり最も危険な場所にあります。東海、東南海、南海と3つの震源域があるのですが、東海の震源域をみると1854年安政から150年以上空白です。浜岡原発は東海地震が世に発表される前に作られた発電所です。 また、それとは別に浜岡原発近くで千年周期で大隆起地震が起きていたことが専門家などの調査でわかっています。
 東海地震予知連絡会元会長の茂木清夫さんは、「浜岡に原発を建設、増設を繰り返してきたことは容認できない。日本の原発は、米国、フランスにつぎ世界第三位、日本以外の国は、地震のない安定した地域であり、地震多発地域に原発を集中させているのは世界でただ一つ日本だけ、浜岡原発は即刻止めるべき」と数年前から主張しています。

耐震設計は?

 電力会社は、「耐震設計は国の指針に基づいて作られている」と言っていますが、耐震設計の信頼度が非常に揺らいでいます。
 2007年の新潟中越沖地震では、柏崎刈羽原発で耐震設計基準の5倍を超える地震動となりました。2009年の駿河湾地震(マグニチュード6.5)で5号機は、国の基準値振動を超えました。東海地震の想定は、M8.5ですのでこの数百倍です。
 私たちはすべての原発を即刻止めると言っているわけではありません。原子力発電は未確立の技術、使用済み燃料の廃棄も未確立です。そこにもってきて、浜岡原発は、世界一危険なところに立地しています。浜岡は、即刻停止すべきです。

労働者の人権より会社の利益優先

 中電は、1988年、女性社員を出張研修で浜岡原発に集め、女性が見学できるほど安全だと宣伝しようと記者会見をしました。女性たちが「私たちはモルモットではない」と声を上げ中止させました。
 電力会社の社員ではなく、「原発ジプシー」といわれる下請け企業に一時的に雇用された労働者が危険な原発現場で働かせられています。いま福島原発で実際に仕事をしている人たちは、放射能とのたたかい、時間勝負です。1分間が限界というような仕事をさせられています。
 定期点検や事故修理には、下請け労働者が300人~800人に膨れ上がり、時間制限で、仕事をさせられているのです。

原発の「安全神話」が崩れる

 国と電力会社は、原発推進を旗印に、「天下り」、「天上がり」一体となり、原子力保安院、安全委員会まで、電力会社の幹部が食い込んでおり、学者を囲いこみ、「安全神話」を振りまいてきましたが、福島原発はその意味で人災です。

エネルギー政策、日本の国のあり方が問われる

 1955年に日米原子力協定でアメリカから濃縮ウランを買い取る協定を結び、原子力発電をどんどん増やしてきました。
 アメリカの日本への支配は、日米軍事同盟で、エネルギーまでも支配し、がんじがらめです。原子力発電をやめて、自然エネルギーへの転換は非常に大事です。
 エネルギーの政策転換は、日本の姿、国のあり方が問われる大きな問題です。
 東日本大震災後の3月15日に、中電に申し入れにいきました。
 浜岡原発を止めても電力は、足りるでしょうといったら、否定できず、もごもご言っていました。電力不足にはならないことを認めざるをえないのです。
 中電自身が発表している供給必要量は2700万キロワット余、設備容量3260万キロワット(火力2390万、水力520万、原子力350万、その他0.6万)。浜岡原発を止めても供給必要量は十分間に合います。
 浜岡原発見学を申し入れましたが、「国会議員がきても、見せません」と。同席された沢田昭二さんが「原子力行政の自主、民主、公開に違反している」と厳しく追及しましたが、担当者は、「やるかやらないかは中部電力が決める」と全くひどい回答です。
 これからおそらく、津波対策に限定した安全論を打ち出してくるでしょうが、だまされないようにしないといけません。

浜岡原発を止めるために

 愛知原発センターは、1988年に「女性モルモット」計画反対運動をきっかけに発足しました。世論が決定的だと思います。署名をとりくんでいますが、大いに、地域や、職場から勉強会をすすめていくことが大事です。
 地域で3000枚のチラシを配布し、百人規模の学習会を予定しているところなど各地から学習会の講師依頼が来ています。
 浜岡原発の1号、2号を廃炉にしたのは、私たちも含めて住民等が危険だから中止をと繰り返し運動し政府、中電に申しいれて取り組んできた結果です。世論の力が大切です。ご一緒に、取り組みましょう。

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