【20.11.10】早川純午さん(愛知民医連・会長)

新型コロナ禍の中で――新しい安心の社会の実現を――

 昨年末、中国武漢で発生し、今年2月14日、ハワイ帰りの方が新型コロナ感染と診断され名古屋でのコロナ対策が現実化した。2月末には民医連の病院で入院患者が見つかり、治療と病院外来の閉鎖、院内感染の防止など大きな努力がなされた。 国民の受療権を守るともに職員の安全も守り医療崩壊を防ぐ努力をしてきた。
 感染症対応の原則は感染源の確定・隔離と感染経路の遮断・感染者の治療である。新型コロナを二類感染症相当の指定感染症としたが、これまでの保健所抑制政策によるPCR検査、病床、資材の不足が当初よりあり、感染源の確定・隔離が進まず時間がかかり不安も強かった。対応するベッドが判明せず、転院できないまま、通常病棟を制限しの入院がつづき、職員感染の危険が一層深刻でした。その後の国民の声により、検査、資材も増えた。しかし、ワクチンを含む治療法はまだ確定していない。
 国は、感染経路の遮断のため国民に一方的な自粛を求め、生活困窮の声にある程度の補償を出した。しかし、実際は私たちの医療機関に来れなくなり、一般の外来入院も2〜3割減少している。また、仕事を失い一気に治療ができなくなる人々も急増し、当院の無料定額医療費制度を利用する人が増えている(名古屋市はこの事業に対し税制の優遇はない)。
 菅首相は、政策理念で「自助・共助 それで困ったら公助」といった。コロナが教えてくれたのは、自助・共助ではなく、まず公助=政府は国民の生活健康を守ることを最大の任務にしなければない。この理念では一層社会保障は破壊される。私たちが助け合いだけではなく、手を握り政府を変え、コロナ渦から新しい安心の社会を創るしかない。

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