【21.06.10】青木陽子 日本民主主義文学会副会長/革新・愛知の会代表世話人

 五十年前の学生時代、世の中を自らの手で変えるという生き方を知った。当時は全国に革新自治体がどんどんできていたから、社会を変えられることに気づいた人が、あちこちで頑張っているのだと思った。だから、日本はどんどん良くなるのだと。
 だが、職場で仕事に悩み、日々の生活の煩雑さに疲れて、つい社会から目を逸らしてしまったらしい。気がついたら、豊かな暮らしが待っている筈だったのに、格差ばかりが拡大し、民主主義が平然と壊され、人権が蹂躙されている。
 なぜこんな風になったのか、何を見過ごしてきたのか――歴史を振り返りながら、生きてきた時代をもう一度捉え直し、考えてみたいという思いで小説に挑みます。「星と風のこよみ」とタイトルをつけました。『民主文学』7月号から連載を開始します。お読みいただければ幸いです。

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