【22.04.10】服部守延(愛知商工団体連合会会長)

平和でこそ商売繁盛ー「軍事」対「軍事」では生命・財産は守れないー

 「ロシアはウクライナへの軍事侵攻を即刻中止し、国際法に反する『独立』承認を撤回せよ」と抗議の宣伝行動に参加しました。
 国際社会は連帯してプーチン政権の蛮行を否定し、国連加盟国の7割を超える141か国がロシア軍の「即刻、完全、無条件撤退」を求める国連決議に賛成しました。
 日本は世界で唯一の戦争被爆国であり、原発事故の悲劇を経験している国です。憲法9条を生かして平和外交を日常不断に実行し、紛争を戦争にさせないよう、平和的解決を働きかけることこそ日本政府の指命です。 
 しかし、自民党や維新の会などから、米中対立の激化や台湾有事を持ち出して、「憲法9条で国は守れない」「米軍と核兵器を共有すべき」などの発言が相次いでいます。
 岸田政権は、敵基地攻撃能力の保有に踏み込み、国内総生産(GDP)比1%枠を超え6兆円を突破した軍事費を12兆円規模に拡大しようとしています。予算委員会開催中に憲法審査会を始動させるなど、改憲策動も強まっています。
 いま、ロシアの蛮行が明らかにしたのは、「軍事」対「軍事」の対応で国民の生命・財産は守れないということです。敵基地を攻撃すれば全面戦争になり、強い軍隊があっても軍事侵攻を防ぐ手立てにはなりません。核兵器で脅かす相手に核兵器で対抗することは人類の破滅につながる愚行です。
 求められているのは軍事同盟ではなく平和の国際秩序を強化することであり、核兵器を廃絶することです。
 民商・全商連の「平和でこそ商売繁盛」の信条を発揮し、「憲法守れ」「戦争反対」の共同と連帯を広げていきたい。 

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