【22.05.10】川村範行さん(名古屋外国語大学名誉教授・東海日中関係学会会長)

中国“新三国志”戦略見直し必至――ウクライナ侵攻の影響は

 中国は米国への対抗上、ロシアとの戦略的協力関係を強固にしてきた。ウクライナ侵攻に対し米国と欧州、日本が対露経済制裁で結束したため、中国は誤算を生じた。米中露“新三国志”戦略の見直し必至と見る。
 内部事情に詳しい中国人ジャーナリストに確認した。「中国は国際社会の想定外の制裁措置に驚いた。台湾に戦争をすると、厳しい制裁措置を受け、中国経済はかなりのダメージを受ける。欧米や国際社会と対抗しないように協調路線を取っていく」と言うのだ。
 習近平国家主席は2月4日の北京冬季五輪にプーチン大統領を招待し、「中露の協力にタブーはない」とする共同声明を発表し、中露準同盟関係を誇示し過ぎた。
 侵攻後の3月8日に習主席は独仏首脳とのオンライン会議で、「国際社会と共に積極的な役割を果たす」と軌道修正した。だが、「世界経済を混乱に陥れる」と経済制裁には反対だ。その直後に中国の政治学者が「中国の孤立を避けるためにプーチンと手を切るしかない」という文章をネットに出したが、習氏はロシア非難をしない。
 親しい中国人よると、中国にはもう一つの“思惑”がある。「中国は欧米の要請を受けて、最後にウクライナ戦争を調停し、平和の貢献者になる」。国連の限界を前に、ロシアの侵攻を止めるのは中国か?
 東海日中関係学会は5月14日午後1時45分から、名古屋市中区栄4-16-29の中統奨学館で緊急公開研究会「ロシアによるウクライナ侵攻の東アジアへの影響」を開催する。 安全保障や国連外交の専門家二人が中国、台湾、日本の対応を分析する。ご参加を(資料代千円)

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