【11.10.18】<新企画>近ごろ思うこと―日本キリスト教団南山教会牧師・大島純男さん

《新企画》今月より、革新・愛知の会の機関紙にインタビューに登場していただいた方に、「近ごろ思うこと」と題して、寄稿していただきます。

日本キリスト教団南山教会牧師・大島純男さん

 東日本大震災から半年を過ぎた九月十五日から三日間、仙台・石巻・女川に行って来ました。石巻では、まだ信号機が復旧せず、警官が交差点に立って交通整理をしている姿を見ました。わたしは、キリスト教会の牧師としてどのような支援ができるのだろうかと考えながら、足を運びました。女川に向かう途中の万石浦には津波は押し寄せず、太平洋に面した女川町は、壊滅状態でした。小高い丘に立つ町立病院の一階にまで波が押し寄せたと言います。その丘から見た景色は形容しがたいものです。

 仙台のキリスト教関係の支援団体を四つ回りました。自転車で被災地に向かい泥出しなどのボランティアをしている人たちは、片道十四キロを毎日往復しています。走行距離三千キロメートルを超える自転車はガタガタです。銭湯に行くにも、一回四百円の出費が痛いと言って、一週間入浴しない人々もいます。とりあえず、自転車を二十台ほど新調することが必要だと実感した次第です。

 聖書の中に、「もし、兄弟あるいは姉妹が、着る物もなく、その日の食べ物にも事欠いているとき、あなたがたのだれかが、彼らに、『安心して行きなさい。温まりなさい。満腹するまで食べなさい』と言うだけで、体に必要なものを何一つ与えないなら、何の役に立つでしょう」という言葉があります。言葉と行ないとが一致する者でありたいと願っています。

*大島純男さんは、2006年6月号にインタビューに登場していただき、「平和を実現する者として―戦争する日本にしないために」と語っていただきました。

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