中村哲医師を惜しむ
アフガニスタンの復興に取り組んできた中村哲医師が昨年の2019年12月4日、アフガニスタン東部のジャララバードで武装勢力からの銃弾を受け、帰らぬ人となりました。
職員1名、警護4名のアフガニスタン人も犠牲となりました。痛恨の極み、深い悲しみと惜しんでも惜しみきれない気持ちでいっぱいです。
アフガン難民支援、ハンセン病根絶を担いパキスタンのペシャワールに赴いたのが1984年でした。
以来36年間にわたりアフガンで医療、灌漑水利、農業の各事業を進めてきました。中村さんは「共に汗を流す」気持ちで、人々とは生活と仕事を通じて信頼を得る現場主義の人、年間の大半をアフガンで過ごす方でした。「ドクター中村」と周りから慕われ、笑顔と優しさがありました。
一方では空爆下の食糧配給、大干ばつで荒廃する農地、用水路での洪水被害など幾つもの困難に直面するものの、中村さんは冷静沈着な精神と強い信念で切り抜けてきました。
そしてアフガンは見事な「緑の大地」に蘇りました。
今後、ペシャワール会は事業の全てを継続していきます。
また中村さんが望んだ希望や想いも引き継ぐ決意です。
中村哲さんは常々、豊かさの不公平、紛争地で流れる多くの血に心を痛めておられ「平和を願い、憲法9条を守る、自衛隊の海外派遣を許さない」立場は鮮明にしていました。
中村さんが残したものは計り知れません。私たちの財産として受け継いでいきます。