NHKの朝ドラ「あんぱん」が9月で終わった。アンパンマンの生みの親である漫画家やなせたかしさんの妻の生涯を描いた、夫婦愛、人類愛に溢れたドラマだった▼アンパンマンは、食べ物がなくて飢えに苦しむ人がいたら、自分の顔をちぎって差し出す。漫画の中の現実にはありえない行為だが、これを否定する人はいない。やなせ夫妻が探し続けた「逆転しない正義」とは、こういうことなのかもしれない▼いま世界には、新自由主義、排外主義という偽りの「正義」が横行し、格差と貧困を広げ、気候危機をもたらし、各地で戦争が続いている▼しかし、人類の歴史が示すように「偽りの正義」は逆転される。現に、逆転しようという声と運動が世界に広がっている。世界中のアンパンマンと手を取り合って、「逆転しない正義」の世界をつくりあげよう。(植田和男/革新・愛知の会代表世話人)