辺野古基地の反対運動にとって大きな前進
「自然の権利」基金 事務局長・弁護士
籠橋隆明
沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟は、1月24日、米国・サンフランシスコ連邦地方裁判所において、勝訴判決を勝ち取ることができました。この勝利は、中間的な勝利ではありまが、辺野古基地の反対運動にとって大きな前進です。
私達は、本件が米軍基地建設の問題であることから、米国法を利用して、米国内で、米国国防総省を被告に訴訟する戦略を立てました。原告は沖縄ジュゴン・沖縄県民・日本環境法律家連盟などです。米国では「沖縄ジュゴン対ラムズフェルド」事件と呼ばれています。
米国は世界遺産条約に加盟しているため、日本の文化財も含めて世界の文化財を保護しなければなりません。ジュゴンは日本の天然記念物であるため、米国政府はジュゴンを保護する義務があります。そのため、ジュゴンに対する保護政策をとらなかったため米国政府の基地受け入れ行為は米国文化財保護法(NHPA)に反する違法行為となります。
今回の判決で、今まで日本政府の影に隠れていた米国政府が、地元の反対運動や自然保護団体などに直接責任を負うことになった意義は大きいです。日本のアセスメントは「建設ありき」の「アワセメント」であり、国際的には通用しません。日米政府が日本のアセスメントに固執する限り建設はできないとすることに、私達の当面の戦略があります。
ところで、裁判を維持するためには多くの資金が必要となります。私達の裁判は「自然の権利」基金からの援助によって支えられています。読者のみなさんには是非基金に関心を持って頂き、会員となり、さらにご寄付をいただきたくお願い申し上げます。