原水爆禁止世界大会で国際共同キャンペーン提唱
今年の原水爆禁止世界大会は、米国など核保有国も含めて、核不拡散条約(NPT)2000年再検討会議が行った「核兵器廃絶の明確な約束」を2010年5月に開かれる同会議で具体化されるよう、国際共同キャンペーンを発足させることに焦点が当てられました。
昨年の国連総会でもこの約束の実行を求める決議が圧倒的多数で採択され、2005年再検討会議でこの約束を反古にした米国でも、核政策の中枢を担っていた元高官らが核兵器の廃絶以外に平和と安全を守る道はないと訴え、大統領選挙でも核兵器廃絶を政策に掲げるなど大きな変化が生まれています。
こうした情勢を踏まえ、8月2日の世界大会国際会議において、20ヶ月間の国際共同キャンペーンの軸として「核兵器のない世界を—2010年NPT再検討会議にむけて」の署名案が示され、会議参加者と同時に、インターネットで世界の反核平和運動の意見を踏まえて、6日の世界大会閉会総会の決議として採択されました。
この国際共同キャンペーンにおいて真の非核の政府を実現させる日本の運動の役割はきわめて重要になってきました。日本政府は、「非核三原則」を掲げながら、実際には米国の「核の傘」に依存し、核持ち込み容認の密約を結び、原子力空母の配備と米軍基地の再編・強化を推進し、自衛隊の恒久海外派兵法を準備し、戦闘行為にまで米軍と自衛隊の一体化を進めるために憲法第9条改訂を狙っています。日本政府は2010年NPT再検討会議にむけた準備委員会で、核兵器廃絶条約の交渉開始を求める提案に時期尚早と反対しました。国際共同キャンペーンの20ヶ月間に行われる総選挙において、「核兵器のない世界を」の署名運動は、米国の「核の傘」から離脱し、核兵器廃絶の先頭に立つ政府実現の運動と位置づける必要があります。