【23.04.10】竹崎 義久さん 愛知県国民救援会事務局長  

袴田事件 再審無罪!! ―無辜の人たちが救われる契機に―

 57年前に起きた「袴田事件」で、ついに「再審開始」を勝ち取ることができました。

 この事件は旧清水市で4人が殺害された強盗殺人事件ですが、殺されたみそ工場の専務が柔道の有段者だったために、元プロボクサーの袴田巖さんが犯人とされたものです。
 取り調べは猛暑の中、平均12時間、最長は17時間ほどと、殴る蹴るの拷問の中おこなわれ、最後には自白に追い込まれました。
 地裁判決を担当した熊本元裁判官は「無罪」の心証を得ましたが、2人の先輩裁判官に多数決で負け、信念に背いて「死刑」判決を書きました。その後、良心の呵責から裁判所をやめ、精神疾患になりながら、裁判から40年後、「無罪と思ったが死刑判決を書いた」として、公開してはならない評議の中身を明らかにしました。
 この事件は、元々、袴田さんを犯人にするために、多くの証拠を捜査機関が捏造し、検察がそれを見逃し、死刑執行という恐怖のどん底に突き落としたため、現在も袴田さんは精神を病んだままです。
 2014年3月の静岡地裁決定で、村山裁判長は「著しいほど正義に反する」として死刑の執行停止と、拘置の停止を命じました。
 現在の再審制度では、証拠の開示義務がなく、検察の上訴も認められています。この2点だけでも整備されていれば、こんなにも事件が長期化することはなかったと思います。

 救援会としても「再審無罪」は当たり前であるとともに、無辜の人たちが救われる契機となることを、活動の柱にしています。

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