【17.02.10】岡歩美さん 市民の本気さが政党を変え、信頼関係が深まる!

総選挙へ野党共闘を!

 
昨年の参議院選挙で市民連合みえの呼びかけ人として三重県での野党共闘を実現し、選挙勝利に大奮闘された岡歩美さんを津市にたずね、お話を伺いました。(聞き手・撮影 岩中美保子)

岡 歩美 さん

1990年三重県生まれ。2015年からシールズ東海。2016年4月市民連合みえの呼びかけ人。元幼稚園教諭。

北海道補欠選挙で

大学生の頃は政治に全く無関心、3・11で社会に目を向け、安保法制の時に、行動しなければ何も変わらないと動き始めました。  2016年北海道補欠選挙に十日間ぐらい応援にいき、市民が選挙に関わった姿が目に見え、地元三重でも出来たらと思いを膨らませました。

三重での野党共闘、実現

全国32の選挙区で最後から二番目で三重の野党共闘が実現しました。
 昨年3月にシールズ東海が民進党の芝さんと共産党、社民党の代表を呼び「共闘してほしい」と訴えました。芝さんは「安保法制廃止はしたいが共産党とは一緒にやるといっていません」と共産党県委員長が握手を求めましたが握手されませんでした。 
 私たちは学者や弁護士、ママの会で市民連合みえを立ち上げ野党共闘実現の賛同を募り60団体が賛同、記者会見を、メディアも広く取り上げてくれました。

ブリッジ方式で

民進党は「政党同士の政策協定は結べない」、共産党、社民党は「協定がなければ組織として動けない」。 そこを克服するために悩みました。
 市民が接着剤になろう、みんなが集える大きな器をつくる仕事を市民連合が果たすべきだと感じました。
市民連合みえと芝さんが政策協定結ぶ。「同意して応援します」と市民連合みえと共産党、市民連合みえと社民党と個別に結びました。「ブリッジ方式」です。
 ブリッジ方式だからこそ出来ないこともたくさんありました。他の野党がどう選挙にかかわるのか難しいところで、私たち市民連合が民進党、共産党、社民党と会議を設定し話し合いました。
 共産党、社民党の人が一人の市民として、芝さんの街頭演説会があるとプラカードをもって来ている姿をよく見ました。共産党、社民党の演説会は芝さんからのメッセージ、市民連合主催での街宣は芝さんが帰ってから共産党、社民党の人が話をするという状況でしたので選挙が終わるまでには、手をつないで市民へのアピールができるようにというのが目標でした。

大事にしたこと

 コミュニュケーションを多く取ることを大事にしました。
 「私たちがどういう選挙をつくっていきたいのか」、「これだけのメリットがありますよ」と民進党、共産党、社民党にプレゼンテーションしました。「北海道ではこうやってこういう効果がありました。ここを改善するともっと良くなります」。「三重でもやりましょう」と納得してもらいました。
 一緒に飲んだり意見交換する場をもち、一緒にカラオケをしたこともあります。後ろ向きだった選対の人が、「政党も組織、利益のためでなく自分の気持ちが動かされたときに行動は変わるんだ。本気で市民が取り組んでくれているのを見て、野党共闘で前向きに考えよう」といってくれました。共産党の人と一緒に絶対飲んだ方がいいよ(笑)とセッティングもしました。何十年前から一度も口をきいたことがない関係から政党同士の関係も円滑になってきました。それが出来るのはしがらみのない市民だと思います。労働組合運動でやり合っていた人も「今回は一緒にやらないとね」と握手。

市民団体へ働きかけ

市民の拡がりをつくろうと三重県中の市民団体を口コミやネットでリストアップし賛同団体になってほしいと電話しました。連絡網をつくり300以上の市民団体が登録してくれました。「この街宣は大事だから来てほしい」、「プラカードはここからダウンロードしてください」などメーリングとフェイスブックで共有しました。
 そして、直接顔を見ての話しあいが大事です。呼びかけ人5人で公示前の一週間で12カ所を分担し「こういう選挙をつくりたい、スタンディング、ポスティングなど一緒にやりませんか」と地域をまわり繋がっていきました。
 呼びかけ人はお互いを信頼しあって、自分が提案したことは責任をもって実行することを決まりに、動きながら考える形ですすめました。
 選対の事務所の中に市民連合の部屋を設けてもらいそこを拠点に動きました。

候補者が「なにより自分が変わった」、と・・・・・・

私は出陣式から毎日、芝さんと一緒に32回の応援演説をしました。見たこともない人がプラカードを持ってきているのをみて芝さんはびっくりされていました。ママたちをはじめ多くの人が自発的に選挙応援してくれたと実感されました。
 私は「今回の選挙は民進党のためではなく自分のためにやっています」と言ってきましたがいつの間にか芝さんも「芝の選挙ではありません」と演説内容が変わって最終盤には、「選挙戦を振り返って、三重県の選挙も変わった、三重県の市民も変わった。なにより私自身が変わった」と言われました。私は、芝さんが変わるなんて思いもせず、すごくびっくりしました。
 最終盤には共産党国会議員の方と芝さんと一緒に街頭演説し、握手もできました。

自分の生き方は自分で!

 政治とは無関係に生きられない。政治にかかわらないことは他人任せにしていることです。自分の生き方は自分で決めたい、社会に対しても声を上げていきたい。選挙に関わることができると初めて体験しました。
 衆院選挙は、どの地域でも市民連合をつくろうと自発的な拡がりが生まれています。

市民のつながりを!

市民のつながりを大事にしてほしい。誰もが集えることが大事です。選挙後、全国に呼ばれていってみると市民同士主導権争いになってしまったり、政策協定に原発を入れたいが候補者が納得しないから応援したくないとか、「連合」との兼ね合いが難しいとか。
 何がその段階で一番大事なのかをその都度考えてほしい。
 候補者がどういう政策をもっているのか、どういう願いで衆院選にのぞもうとしているのかを引き出していくことが今の時期に大事だと思います。

日常の地道な活動が大事

日常のなかで政治の話をする場を広げていく地道な運動が大事だと思います。
 選挙の時に学生数十人のアンケートで59人が選挙にいくと答えましたが誰にいれたらいいのか、わからないと答えました。
 選挙は大事だといっても、何が大事なのかわかりません。(1)電通の過労死自殺と自分とがどうつながっているのか、興味や関心が持てる分野は違うと思います (2)いろんな機会にいろんな問題を取り上げていく (3)いつもと同じルートで告知するのではなく、違うコミュニティやコンビニに出かけ行ったりして「友だちにしてよ」とか (4)人それぞれタイミングが違うので、その時がきたときにサポートしてあげられる関係をつくっていけるといいですね。
     (1月24日)

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