【17.11.10】長坂圭造(自治労連愛知県本部委員長)

労働組合の社会的役割をもっと発揮できるように

 
 昨年の電通の過労自殺問題をきっかけに、今ほど働き方について関心が広がっている時はないと思う。ブラック企業が社会問題となり、今では、ブラックバイトという言葉も生まれ今こそ労働組合の出番だと思う。しかし、労働者の労働組合への関心が広がっているかというと「残念ながらそうでもない」と感じざるをえない。自治労連愛知県本部では、労働組合のない自治体職員に「労働組合に入りませんか」と組合紹介のチラシを配布しているが、若い職員ほど、チラシを受け取ってもらえない。高齢層の方は、若いころ労働組合がストをやったことや学生時代に学生運動も少しは見ているからなのか、チラシを受け取ってもらえる。「労働組合が何をしているか、わからない」といる人が圧倒的に多いように感じる。
 ブラック企業やブラックバイトが生まれる背景には、使う側も働く側も「働くルール」をあまりに知らないことがあると思うが、自分も労働組合の役員をやっていなければ同じかもしれない。最低賃金が上がっていることを知らずに働かせた経営者、働いていた労働者もいた。労働組合があっても「不払い残業」が問題にならず、年休取得もままならないような状況が放置されていたら、「労働組み合って何やってんだろ」となるのも当たり前かもしれない。職場はもちろん、労働組合のない人たちにも「働くにはこんなルールがあるよ」「いかに労働組合が身近で頼りになるものか」ということをもっと知らせていかなければならないと思う。

このページをシェア