藤原のりまささん―市民の思いに突き動かされた!

対等・平等・相互尊重でたたかいます!

藤原 のりまさ さん

1978年生まれ。立憲民主党愛知10区総支部長。
弁護士。一橋大法学部卒。
大学卒業後、缶詰工場、印刷工場、警備員などさまざまな職を転々とする。

貧困問題や多重債務問題に取り組んで

 私は、就職氷河期の時代に大学を卒業しました。司法試験にすべり、長く日雇い派遣労働者として働いていた時期がありました。しかしこれは、得難い経験だったと思っています。  
 当時の日雇い仲間は今も日雇い派遣です。88円のカップラーメンを食べながら働いていました。当時は、どんなにひどい扱いを受けても「弁護士になりたい。今に見てろ」との思いを持てていたことは幸せでした。もう一生このまま暮らしていくんだ、何とか食いつないでいるけれど10年先のことが見えない。それどころか来年の自分のことも見えてないで働いている仲間が多く、今も変わりません。変わらないどころか、状況は当時よりはるかに悪くなっています。
 弁護士になって、愛知県弁護士会の貧困問題・多重債務対策本部に所属しました。かつての仲間の顔が浮かび、劣悪な環境で働き、怪我、病気でやむなく借金をする仲間の話を耳にしていましたから、貧困問題や多重債務問題にかかわるのは自然の流れだったかもしれません。
 11月30日、名古屋高裁で、生活保護裁判で初の国家賠償責任まで認める「逆転完全勝訴」判決を勝ち取った「いのちのとりで裁判」に参加させてもらいました。裁判所前で「司法は生き   ていた」ののぼりを掲げたのは私です。この裁判に関われたことは大きな経験でした。今後もライフワークとして続けていかなければいけないなと思います。

忘れることができない言葉

 2021年の第49回総選挙で愛知10区は、野党がまとまることができませんでした。共産党、れいわ新選組、立民の私の票を足したら、自民党を上回る票でしたが、全員落選でした。野党がつぶし合った一番の原因が私、藤原が腹をくくれなかったからです。いろいろなしがらみを断ち切れず、野党統一候補を望む市民の皆さんに本気で向き合わなかった。選挙の翌日、私に声をかけてきた高齢の男性の言葉を忘れることができません。

「藤原さんだろ、負けるとわかっていた。それでもあんたに入れたんだ。なんで一つにまとまらなかったんだ。俺たちがどれほど失望したか。その気持ちがわかるか」

とすごい勢いで私に声をかけてきました。私は返す言葉がありませんでした。
 私はこれまでいろいろ失敗しましたけれども、その中でも一番上に来る失敗だったと振り返っています。二度と市民の皆さんにこのような思いをさせてはならない、そう確信した出来事でした。

本気の共闘こそあるべき姿

愛知10区野党共闘を語る会のみなさんが継続的に活動され、政策づくりなど検討されていました。そして、「市民と野党の共闘」という形で本格スタートしたのが2023年秋です。
 10月13日が一つ大きな転機になりました。連合愛知への誓約書の締め切りが10月13日金曜日の夕方5時でした。
 元民主党系の立憲民主党、国民民主党は、毎回の選挙で連合愛知の推薦を受けて選挙をたたかってきました。 前回の藤原も、連合愛知の推薦を受けました。 
 第50回衆議院議員総選挙の推薦を得るためには連合愛知会長あてに候補者が「誓約書」を提出しなければならないのです。「連合愛知推薦候補者として、下記の内容を制約します。」との誓約書が7項目ありますが、びっくりしたのは6項目に「連合・連合愛知の支援政党以外とは与しません」とありました。要は共産党との野党共闘はしませんという意味です。そして最後にわざわざ「推薦候補者が上記項目に反すると判断した場合、推薦を取り消す」と書かれています。私は、「これは絶対に書けません」と提出しませんでした。
 私の方向はこの時に決定しました。
 票だけ回してほしいというのは、共闘と言えないと思うのです。有権者に対する背信行為です。がっぷり四つに組んで一緒にやっていく形じゃないと意味がありません。
 志位和夫共産党委員長の定例の記者会見を何気なく見ていたところ、本気の共闘、それはつまり対等平等、相互尊重の共闘だというおっしゃり方をされていて、これはいい言葉だなと思いました。平易な日本語ですけども全部言い表していると思い、拝借して私が使いまくっています(笑)。本気の共闘でいきたいと申し出たのがこの共闘10区野党共闘の出発点ですし、これがあるべき姿だと確信しています
 11月5日に、共産党の山下芳生副委員長が名古屋で街頭演説会をされるというので、むしろ私の方からお願いして、宣伝カーでお話させていただきました。あるべき姿で当たり前だと思いますが、党本部から幹事長注意というお叱りを受けました。
 そして12月2日の革新・愛知の会総会にメッセージの依頼をされました。「市民の皆さんの思いに突き動かされつつ、もう戻れないところまで来ました」とメッセージを寄せました。

壮大な実験

 あるべき姿で当たり前のことをやっているだけだと思っています。それでも野党共闘が受難の時代の中で実は大きな社会実験をやっているんだという自覚はありますし、そのことを忘れてはいけないと思っています。
 この実験は絶対に失敗が許されないと思っています。失敗したら全国に波及してしまうと思いますし、これが首尾よくいったら、日本の政治に風穴をあける余地のある実験だと思っています。実験という捉え方はすごく不謹慎だと思うかもしれませんが、その実験を慎重かつ大胆に進めていくのが私の役割だというふうに考えています。
 勝って初めて風穴が開くと思っています。少なくとも成果を出さない限り、これが広がっていくことはないと思っています。
 生活が苦しい、身を粉にして働いても手取りが少なく生活できない深刻なくらしの状況のなかで、パーティー券のキックバックの話で大揺れになってます。一人一人の暮らしのことに少しでも想像力が働いていたら、ああいう発想にならないですよ。今の永田町の政治が国民生活から乖離しているかということがはっきり見て取れる事象だと思います。ぶれずに軸足をしっかりとして、対等・平等・相互尊重の本気の共闘で、愛知10区はたたかっていきます。愛知10区にご注目ください。 

そして、最後に、ガソリンスタンドで怒鳴ってきたおっちゃん。俺は変わったぞ!

    

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