河村たかし名古屋市長 による芸術作品の政治利用を許さない
1、「こんな主張を法廷で名古屋市の主張として行ったの?」あいちトリエンナーレ2019実行委員会が名古屋市に対して負担金残金の支払を求めた訴訟(以下、「負担金裁判」)の名古屋地裁判決文を読んだ最初の感想です。河村たかし市長は「表現の不自由展・その後」に展示された特定の作品について、独断により「日本国及び日本国民を侮辱するものであり、著しく不快な思いを抱かせる」、「ハラスメント」である等の評価を下し、展示中止を求め、これらの評価を自身の支持者たちと称揚したばかりでなく、名古屋市の主張として負担金裁判で展開しました。
2、7月7日、市長による次の行為((1)負担金裁判地裁判決に控訴し、控訴費用を名古屋市に負担させた、(2)控訴審を遂行するため代理人との間で訴訟委任契約を締結した、(3)負担金裁判を起こされた結果、一審を遂行するため代理人との間で訴訟委任契約を締結した)が、違法または不当な公金の支出、契約の締結・履行であることを理由に住民監査請求を行いました。
ポイントは、前記1のような市長の公人としての言動が、表現の自由(憲法21条1項)の侵害に加え、住民の思想・信条の自由(19条)を害している点(違法性)です。
3、住民監査請求に参加してくださった名古屋市民は146名。呼びかけを始めた6月19日から締め切りの6月30日まで、わずか11日間。急な呼びかけにこれだけ多くの方が応じてくださったことは「市長の独断、許せない」という市民感情の表れです。
4、住民監査請求の結果は、請求から60日以内に示されます。名古屋市の監査委員がどんな判断を示すか、名古屋市内外からご注目ください。