政治家の言葉――田原裕之さん(弁護士) 

 自民党政治家の言葉を真に受けてはいけない。
「真摯に受け止める」は、「聞き流す」「この次はバレないようにうまくやる」という意味。
「丁寧に説明を尽くす」は、「同じ説明を繰り返して押し切る」の意味。
 日本在住のカナダ人翻訳家イアン・アーシー氏の「ニッポン政界語読本」という本があるそうだ。同氏は、歴代首相が連発する「沖縄の皆さんの心に寄り添い」というのは、「沖縄の皆さんの心を寄り切る」の意味で、「米国国防省の皆さんの心に寄り添い」なら言行一致で潔いという。
 自民党政治家の言葉の真意はカナダ人翻訳家にも見抜かれている。
 そして、質問に答えたくないときは、「個別の(仮定の)質問には答えられない」「回答は差し控える」と答える。これらは、別の意味ではなく、「回答拒否」であることが分かる。
 さらに、「総合的(俯瞰的)判断」「適切に判断した」「ご指摘は全くあたらない」は、内容がなく、何を言っているか意味不明。 「誤解を招いたのなら謝罪する」に至っては笑止千万。国民は「誤解」したのではなく、正確に本心を見抜いたのだ。そして、「誤解」した国民の方が悪いかのような言いぶり。 
 こんな言葉ばかりを使うから、政治不信が深まるばかりなのだ。こんな日本語しか使えない自民党政治家には表舞台から退場していただくほかない。

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