中村哲医師逝去5年 その後のアフガニスタンは

ペシャワール会名古屋 
会長 五井泰弘さん


*五井泰弘さんは2007年11月号インタビューに「人を殺しながらの復興支援はありえないーペシャワール会の活動を通じて」と語っていただきました。

 アフガンで活動中の中村哲医師が凶弾に倒れてから5年が経ちました。その時の衝撃と悲しみ、喪失感は大変大きなもので今でも思い出します。中村さんの行っていた「全ての事業と希望は継続する」と葬儀後に日本・アフガン合同会議で再出発を決意しました。PSM(平和医療団・日本)のジア副院長と100名ほどの現地タスッフは中村さんの志を胸に「チームナカムラ」として結束、事業に取り組みました。 
 この間コロナウイルス感染の拡大、地震の頻発、干ばつ・洪水などがあり、そして2021年8月には米軍撤退、無血政変でタリバンが復活という事態に直面。しかしアフガニスタンと日本の多くの人々の支えがあって幾多の難局を乗り越えることができました。
 アフガンの今の状況は治安は良くなって、ケシ栽培も取り締まり強化で減っています。学校や女性の権利など課題もありますが半歩半歩の国づくりへ途中段階と言えます。 私共の各事業の取り組みは ①用水路事業は中村さん後、現地独自で新たに取水口、用水路を着工・完成。又、中小河川から取水する新たな試みの堰・用水路の完成など。②農業事業は小麦・野菜はじめサツマイモの普及とお茶の栽培、ナツメヤシや黒砂糖の生産・販売など農業復活に。③医療事業は人口増で診療数も増加、助産婦の2名採用、ハンセン病診療の再開など 各事業分野とも着実に進んでいます。 
 ペシャワール会名古屋は支部として今年は30年目になります。
 これからも中村哲さんの「アフガンの人々の自立と世界の平和」の想いを受け継いでいきます。

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