平民の暮らし
この夏、三重県菰野町の「平和記念事業」にお付き合いした。“朗読劇と体験談”というタイトルで地元の朗読グループが伊勢の詩人で敗戦直前に戦死した竹内浩三の詩を構成し、朗読劇にした舞台のお手伝いである
“ひょんと死ぬるやあわれ”のフレーズで知られる「骨のうたう」が代表作で聴衆は熱心に聴き入ってくれた。特長的なことは主催が菰野町教育委員会で、当日の戦跡めぐりや町長あいさつなど町を挙げての取り組みだったこと。憲法9条に触れると後援しないという、我らが県・市当局に見習ってもらいたい
逆に残念なのは、にもかかわらず若者の参加は少ないことだ。語り部が少なくなっていく今こそ、次世代へ引き継ぐ大切さを痛感する
ひるがえって民主的といわれる組織のあり方も同じで、次の担い手をきちんと育て、後押ししていくようでありたい。(栗木英章 愛知文団連代表委員、作家、革新・愛知の会代表世話人)