【13.08.07】林 文弘さん(税理士、革新・愛知の会代表世話人)

 アップルという会社がある。ご存知のとおりスマホの会社です。そのアップルが米国の議会で問題になっています。アップルがアイルランド(タックス・ヘイブン)を利用し、巨額の課税逃れしていた、というのです。上院小委員会に呼ばれたアップルのクックCEOは米国の法人税が高いことに問題があると指摘しています。どこかで聞いた話です。安倍政権はその成長戦略に法人税の引き下げを検討するとしています。日本を企業がもっとも活動しやすい国にする。日本の「大企業天国」化です。世界が法人税の税率引下げ競争に陥っています。税金でなりたつ国(租税国家)の危機です。その穴埋めは結局その国の国民の負担にはねかえる。そう、日本でいえば消費税の増税であり、福祉の切り下げです。企業が自らの負担を国民と国家に転嫁しているのです
 対策はないものでしょうか。いま、被害者である各国の勤労者、市民、途上国が各国政府やG20を動かし、OECDも改革の必要性を主張しはじめました。日本でも大企業にため込んだ内部留保を社会に還元して雇用と賃金を改善しようの声が高まっています。税制でいえば応能負担原則を徹底した所得税・法人税を再建することです。

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