【14.04.08】名古屋大学名誉教授、革新・愛知の会代表世話 杉浦一孝さん

 このコラムの表題とは、やや趣を異にする話で恐縮ですが、日本の政治の革新を願い、実際にそのための運動に携わっている人びとの間ですら、現在、日本の法律学の世界で後継者養成がいかに危機的な状況にあるのかをご存じない方が圧倒的に多いのではないでしょうか。それは深刻な事態に陥っており、このまま推移すれば、あと十数年後には、日本から法律学界という一つの学問の世界が消滅しかねない状況にあるのです。
 そのおもな要因の一つに、研究者養成期間(最低五年間)における研究条件のいっそうの貧困化があります。高額な授業料、貸与制の奨学金(これは、五年後には、数百万円以上の借金を背負い込むことを意味します)等々がそれです。このような劣悪な研究条件の抜本的な改善なくしては、法律学の存続はありえないでしょう。
(名古屋大学名誉教授、革新・愛知の会代表世話人 杉浦一孝)

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