「失われた30年」と言われてきた日本社会が動こうとしている。大企業が内部留保を蓄積する一方で、増税と公共料金の値上げ、下請け単価切り下げや賃金抑制などで経済成長は止まり、GDPは世界第2位から4位に転落した▼非正規雇用の増大と格差社会の進行、物価高などで国民生活は厳しさを余儀なくされてきた。この30年間、大企業の利益は11・2兆円から61・9兆円と4、5倍に膨れ上がっても、税負担率は58、9%から16・7%に軽減されている。一方で、従業員一人当たりの給与は564・5万円が608・7万円とわずかに7・8%増えただけである▼労働者の実質賃金は低下し、年金は切り縮められ、国民の消費購買力は下がり続けている。しかし昨年11月、自民党の派閥政治パーティ疑惑の解明に東京地検が動き出して以降、状況は一変してきた▼国会もメディアも国民の目も、裏金と疑惑解明に最大の関心を示している▼裏金疑惑を解明し、財界との癒着による政治資金パーティをやめさせて自民党政治に終止符を打ち、希望ある未来を実現させましょう。(大黒作治/革新・愛知の会代表世話人)