自治労連愛知県本部委員長 武藤貴子

自治労連愛知県本部委員長
武藤貴子(写真中央)
保育士として働きながら、さまざまな家庭に出会ってきました。ある朝、子どもを送ってきたお父さんに「昨日は咳が多かったけど、おうちではどうでしたか?」と聞くと、よくわからないのか、「はあ」と困惑した返事が戻ってきました。多くの家庭では、家事と子育ては主に女性(母親)が担い、男性(父親)は、「お手伝い」的な現状があるのでは、と思います。保育園の父母の会の役員も、圧倒的に女性が多いのが実態です。
OECDの調査では、日本の女性の1日の無償労働時間は平均で224分、男性は41分。女性は男性よりも、5.5倍多いという結果でした。まだまだ日本は、「男は仕事、女は家庭(子育てや介護)」という性別役割分担意識が根強く残っていることがわかります。
子育てをしながら働いている女性の中には、ジェンダー差別を経験している人もいます。育児休業や育児のための時短勤務を取得した場合、昇進が遅れる職場があります。同期の男性や、休業も時短も取らず働き続けた女性とは賃金にも差ができます。このようなしくみが、男性に長期の育児休業取得を躊躇させ、女性の仕事へのモチベーションを減退させているように思います。こうした「子育てペナルティ」は、すぐになくさなければいけません。
現在、愛知県内の労働組合には、女性委員長がたくさんいます。私がめざすのは、女性も男性も、いかなる差別を受けることなく、格差を感じることなく、希望する生き方を自分で選べる社会にすることです。
みなさんと連携して、一人ひとりの人権が尊重される社会になるように、多数派めざしていきたいです。
(写真右から、愛労連西尾美沙子議長、自治労連武藤貴子委員長、名古屋市職労磯村和佳子委員長)