被爆80年「被爆者とともに、核兵器のない平和な世界を ―人類と地球の未来のために」 のべ1万人を超える参加者

原水爆禁止愛知県協議会(愛知県原水協)  事務局長 佐竹康行

世界大会で発言する愛知の代表ら

8月3日、原水爆禁止2025年世界大会・国際会議が、広島市内で、フランスや英国、韓国など15カ国222人の政府や平和団体、被爆者、核実験被害者の代表らのべ1万人超で参加。核兵器による被害を明らかにし、「核抑止力」論を克服するとともに、自国の核政策を変えるために核保有国、依存国の市民社会の闘いや核兵器のない世界の実現に向けた国際共同行動になど討論、交流しました。
 
日本被団協・日本原水協・原水禁共同アピール歓迎

 主催者あいさつで、野口邦和世界大会実行委員会運営委員会共同代表は、被爆80年の今年、国連憲章と国際人道法に基づく平和の秩序を回復させ、平和で持続可能な世界の実現に向け全地球的規模の連帯と共同を発展させようと呼びかけ、日本被団協と日本原水協、原水禁の共同アピールを歓迎し、「平和の波」行動を宣言しました。
 歴史的な瞬間を迎えながら、世界大会に反映できることは、日本被団協がノーベル平和賞受賞したことから通じたものだと感じています。
 第1セッションでは、日本(金本弘日本被団協代表理事)と韓国の原爆被害者が証言。第2セッションでは、核保有国と核依存国における市民社会の闘いを米国、英国、フランス、韓国、日本の代表が報告。自治労連愛知県本部の長坂圭造副委員長が、愛知と自治労連の取り組みについて発言。第3セッションでは、核なき世界に向けた国際連帯と運動交流。大村義則県原水協代表理事は、「なぜ、日本政府は禁止条約に入らないのか」と外務省担当とのやりとりを克明に発言し、多くの方から賛意が寄せられました。
 
兵器廃絶の行動を世界各地で多様に繰り広げよう

 4日、国際会議の閉会総会、特別集会「被爆体験の継承と未来―被爆80年広島のつどい」を開きました。 国際会議では「核戦争阻止と核兵器廃絶を求める壮大な行動を展開しよう」と世界に呼びかける国際会議宣言を採択。続く「広島のつどい」では、広島の被爆者らが証言し、青年らが運動を引き継ぐ決意を語りました。国際会議宣言案が、冨田宏冶(とみだ・こうじ)国際会議宣言起草委員長が「再び核使用の危険に直面している今、『核抑止』論の克服が重要だと述べ、『核抑止』政策の放棄を核保有国と同盟国に強く要求。被爆者を先頭とする市民社会と諸国政府との共同こそが世界の本流だと強調し、核兵器禁止条約支持への世論を広げ、参加国を拡大することが急務。ヒロシマ・ナガサキの被爆の体験と実相を受け継ぎ、広げることを運動の中心にすえて、核兵器廃絶を共通課題とする行動を世界各地で多様に繰り広げよう」と訴え、満場の拍手で確認されました。

湯崎英彦県知事が「核抑止力」を痛烈に批判
 
 広島記念式典での湯崎英彦県知事のあいさつがとても強い印象を受けました。「… 抑止とは、あくまで頭の中で構成された概念又(また)は心理、つまりフィクションであり、万有引力の法則のような普遍の物理的真理ではないからです。自信過剰な指導者の出現、突出したエゴ、高揚した民衆の圧力、あるいは誤解や錯誤により抑止は破られてきました。我が国も、自ら太平洋戦争の端緒を切ったように、人間は必ずしも抑止論、特に核抑止論が前提とする合理的判断が常に働くとは限らないことを、身を以(もっ)て示しています」と語り、「核抑止力」を痛烈に批判。大きな注目となっています。

大きな役割を果たした  愛知代表団

 愛知は193人の代表団で、中央舞台、各分科会などで愛知の基地の現状などを報告し、10月に愛知で行われる日本平和大会、9.27戦後被爆80年あいち平和のつどいのアピールなども行い、大きな役割を果たしてきたと自負しています。とりわけ、中高生の参加は、この間にないもので、広島・長崎に24人が参加し、大いに成長して帰ってきたのではと感じています。
 今後は、各地での報告会にも出向き、被爆80年の原水爆禁止運動を、日本政府をかえるべく、大きな転機にするために、力を尽くしていきたいと思っています。

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