県革新懇ニュース−この人に聞く

2010.1.10】インタビュー 愛知西農業協同組合 今枝 桂さん 日本の「食」と「農」に元気な未来を!

農家が生産意欲の持てる価格保障を! 日米FTA絶対反対!!

  組合員三万人余、濃尾平野の肥沃な土地で幅広い農業を展開されている愛知西農業協同組合(愛知県一宮市)を訪ね、代表理事組合長の今枝桂さんにJA愛知西の取り組み、日米FTA問題、価格保障問題などのお話を伺いました。
 同協同組合の牛田幸夫常務理事が同席されました。

◎一宮革新懇の事務局長の柴田伸治さん、日本共産党市会議員の尾関宗夫さんと一緒にお話を伺いました。


愛知西農業協同組合
  代表理事組合長 
    今枝 桂さん

1945年(昭和20年)一宮市生まれ、1972年(昭和37年)農協職員に。2008年(平成20年)6月より同組合代表理事組合長。

肥沃な土地と温暖な気候で豊富な農産物

 愛知西農業協同組合は、平成14年4月1日に、近隣4JA(JA稲沢市・JA稲沢・JA尾西市・JA尾張)が合併し誕生しました。現在の一宮市・稲沢市になります。
 組合員数30,349名のうち田畑を持って農業を営んでいる正組合員

は、16,794人、農協利用者など準組合員は13,431人です。
 経営理念「食と農を通じて地域に根ざすJAづくり」のもと、第一に、担い手の育成や安全・安心な農産物の生産・供給など組合員の営農と地域農業の持続的な発展、第二に安心して暮らせる地域作りへの貢献、第三に経営の健全化・安定化をめざしています。
 県北西部の豊かに広がる濃尾平野の中央に位置し、木曽川沿いの肥沃な土地と温暖な気候に恵まれ、幅広い農業が展開されています。
 全国の農協はキャベツだけというように1品目だけの生産が多いのですが、ここで生産する野菜は、米、ナス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ミツバ、フキ、キャベツ、モロヘイヤ、ダツ、パセリ、ダイコンなど32品目と県下でも一番種類が多くて大変豊富です。  旅館や料亭でだされる高級野菜のトムギ、白根が長く甘くて食味が良い越津(こしづ)ネギ、ギンナンは生産量日本一(祖父江町)など恵まれた環境にあります。
 生産物は東京、北海道、大阪へも出荷されていますが、7〜8割は中京圏、岐阜、名古屋が中心です。 農家の皆さんは出荷するときは、生産者名、いつ、どういう消毒をしたのかという生産履歴をつけないといけません。
 この地域で生産された農産物は、一番近くて新鮮、種類も豊富と重宝がられています。

今後の農政運動の強化を――25回JA大会

 10月20日に25回JA中央会全国大会を東京のNHKホールで開催しました。
 「大転換期における新たな協同の創造−農業の復権、地域の再生、JA経営の変革」をテーマに、全国から3,000人余の皆さんが参加しました。農業も老齢化や担い手不足で日本の農業の見直しをしていかないといけません。 この地域は、都市型農業で都市化していますが山陰や東北地方では、高齢のため耕作放棄も多く、深刻な状況です。

全政党に働きかける「特別決議」を採択

 この大会では、「政府・与党をはじめ、すべての政党に対して生産現場の
農家組合員の声を主張し、国政に反映するという国民運動」をおこなうことを特別決議しました。
 自民党政権の頃は、全国大会には、総理大臣、農水大臣は必ず来て貰っていましたが、民主党政
権に交代して、総理大臣も農水大臣も来ませんでした。
 生産現場の危機的状況のなかで、食と農を守るためにはこれまでと変わって、全政党に声をかけました。日本共産党は志位委員長が出席をしてもらいました。一番うけたのは志位さんです。 
 「農産物の価格保障と所得補償を」と訴えられ、お米でしたら「一俵60キロ1万8千円を保障すべきだ」といわれました。今は一俵60キロ1万3千円です。一反でせいぜい取れて八俵です。農家にしてみればそのくらいの価格の保障はしてほしいです。実際、喫茶店のコーヒー一杯よりもどんぶり一杯の米の方が安いのですから。

日米FTAは死活問題

 日米FTAは死活問題です。日米FTAは絶対反対ということでやっています。日本の農業と米が取り返しのつかないことになります。
 また、ミニマムアクセス米は、70万トン余輸入し続けています。カビが生えた米が食料に回る事故も起きています。「減反」、「米が余って生産するな」と言いながら70〜80万トンも輸入しなければならないのはおかしいことです。
 民主党が言っている所得補償制度もなかなか見えてきません。
 所得補償と言っておきながら、米の生産調整をした人だけしか所得補償をしないということもあるようで、農家にしてみると所得補償というのは米だけではなく野菜、園芸農家でもしかりで、先がなかなか見えてこないのが現状です。
 世界的に米は不足しています。日本だけは、「米余り」といわれていますが、実は、日本の食料は殆ど外国に頼っているわけです。諸外国も自分の国が食べれなくなれば輸出はしてくれませんから、やはり、安全、安心な国産、地元で取れた地産地消のもの、目に見える農産物が一番です。
 ヨーロッパあたりは、価格保障をしっかり国がやっています。日本はそうなっていません。
 農家が生産意欲の持てる価格保障をしていただきたいです。

はつらつ農業塾で

 私どもは、一宮市、稲沢市と一緒に、農業従事者の高齢化と後継者不足、担い手の不足による農地の遊休化を少しでも解消し、農業の明るい未来のために「はつらつ農業塾」の取り組みを昨年から行っています。
 毎年100名募集し、農作業の実習等(担い手育成コース月4回程度、生きがい農業コース月2回程度耕作)をすすめています。

天候に大きく左右ー 農業は自然が対象

 消費者の方にももっと農業を理解していただきたいです。
 いま、消費者団体と共同して農業体験をして見えるところもありますが、台風や今年のように長雨で日照不足が続くと米が不作になるなど、農業は自然が対象で天候に大きく左右されます。
 田植えをして米の収穫までかなり時間がかかりますし、いくら機械化が進んでも農作物は時季がこないと収穫ができません。どんな野菜でもそうです。
 消費者の皆さん ぜひ、日本の農業のこと、食のことを考えていただき、ご一緒に日本の「食」と「農」に元気な未来を作っていきたいです。

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